ホワイトアンブレラVSシルバーアンブレラ ~前編~
今回はアンブレラの「内側の色」の話です。
アンブレラの反射面にはホワイト、シルバー、ゴールド、ゴールドシルバーと世界的に見て4種類くらいあります。いかんせん、ゴールドとゴールドシルバーについては日本国内では流通量も少なく、私の個人的な考えでは日本人の肌の色に起因するのか日本ではほとんど見かけません。白人の場合、白すぎるのでゴールドを使う場合があるにはあるように思いますが、それでもマイナーなタイプです。
そこでひとまず日本で馴染みの多い、ホワイトとシルバーの違いについて説明します。
まず先にそれぞれの特徴と言いますか、定義としては;
●ホワイト
反射する光が柔らかく、ソフトな光質。光に広がり感がある。もっともポピュラーなライティング機材として愛用者多数。
●シルバー
反射する光が硬く、カッチリとした光質。コントラストや色味を強調するときに使われる。ホワイトアンブレラに比して光量落ちが激しい。
ザックリとこんなところでしょうか。実際のところホワイトアンブレラが主流で、シルバーアンブレラについて「???」という方も多いかと思います。でも、そこには前述したとおりちゃんと違いがあります。
そこで実際にどういう光の飛び方をするか見てみましょう。
●ホワイト
●シルバー
さて、どうでしょうか?違いが分かりますか?ね?
細かいことを言うと見るポイントがいくつかありまして、まず影の付き方が違います。同じサイズのアンブレラですが反射面によってこれほど変わります。シルバーのほうが影の付き方が強いのは、シルバーアンブレラの特徴でもあります。こういう光質を「硬い」とか「硬質」とか表現したりします。
また、ホワイトは光の「広がり感」があるのに対し、シルバーはかなり光量落ちします。
さて、次に実際の被写体を間近で比較してみます。
さて、ここから説明が難しくなってきます。以前、この記事の雑談で「説明が難しい」と書いたのは、この「違い」を上手く言葉で表現できないからです。
確かに、ホワイトとシルバーで「違う」のは分かると思います。ホワイトのほうは全体的に柔らかく、シルバーのほうは表面の質感が表現されています(色味とコントラストが強調されている)・・・・・。
でも、こう書いても実際のところ「見る人によって感じ方違う」んです。また、「サンプルの被写体」もイマイチでなおさら伝わりづらいとも思います。
さらにこれを「サイズ違いで比較」なんてしようものなら言葉でどう言えば良いのか分からないです。ワークショップでもこの違いを説明するフレーズを毎回考えていますが、「感じ方」の違いは否定できず、ましてや普段から使っている人ならまだしも、初めて見た人にとっては「???」となります。これが;
説明できないものを「なぜ説明できないか?」を説明することはできる!
と言っていた部分です。
話がちょっと逸れますが、例えば「カレーの辛さ」ってありますよね?5倍とか10倍とか20倍とか。でも、20倍食べてもちょっと辛いかも?みたいな人はいますし、5倍でも死ぬほど辛いと感じる人がいるのも事実です。ただ、この辛さの感じ方を表現するボキャブラリーって実際のところ「辛い」が主であと修飾語が付くわけですがそれでも数は知れてます(「超」とか「まあまあ」とか「かなり」、「けっこう」などなど)。
このアンブレラの色の違いの説明がこれに近い、というわけです(・・・こんな説明の仕方で伝わっているのか不安ではありますが・・・)。
それでまず理解しておいたほうが良いのはザックリとした違い、そしてあとは「慣れ」というか「経験値」でサイズによってどう変わるかを感覚的に覚えておく、と言ったところでしょうか。
さて、次回は今回少し触れた「光量落ち」と「応用例」を説明します。
(まとめ)
・ホワイト、シルバー、アンブレラの色にはそれぞれ意味がある。
・こればかりは慣れや経験を積んで感覚的に覚える。撮影意図によって使い分ける、しかない(と思います)。
・最終的には人の「感覚」や「心」が決めるので明確な定義ができるわけではない。
ある程度どういうジャンルでどちらが使われているか、という傾向は掴むことは可能ですが、これは時代の流行廃りで変化しますので一概に言えない部分でもあります。
と、いうことでひとまず。
【ワークショップ】
引き続きワークショップの申込み受け付けてますので。興味のある方はこちらから。
毎回そうなんですけど皆さん「直前」にならないと申し込まないんですね。そのことを否定しないんですがもっと「前のめり」でも大丈夫ですよ(笑)
一度受講すればライティングなんて楽勝になるし、生涯使える知識です。
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