横から当てる料理写真のセッティング例
さて、かなり久しぶりの更新です<(_ _)>
それで本日はライティングのセッティングのお話です。先日、日本橋のラヂマルさんの料理写真の撮影をする機会がありましたのでそのときのライティングの話です。
早速ですが料理写真の撮影のセオリーとして「被写体(料理)の向こう側からあてる」というのがあります。これはこれでここ数年のトレンドですし、料理の場合は概ね被写体の向こう側から光を当てるライティングが主流のように思います。当然、それに対して異論を唱えるわけではありませんが、そんな都合の良い撮影環境ばかりではないと思いますので今回はあえて「真横」で撮ってみました。
セッティングは一種類です。
大きなソフトボックスと、その向かい側に大きめのレフ板です。大きなソフトボックスは大きな光源であるとともに、「疑似窓」としての役目、大き目なレフ板は影付きを和らげるためです。むろん、レフ板も大きければそれだけ「大きな光源」になりますからね。
それでなぜこういうセッティングにしたかというと、撮影するときのワーキングスペースを確保するためです。この設定なら正面に対して上下左右自由にアングル変えて撮れるんです。
ちなみに背景を白背景にしていますが、これはあってもなくてもかまいません。撮影しながらクライアントに確認し、不要なら外します。ちなみにこのセッティングで撮るとこういう感じです。
左側に影が出てますが、大きな光源で挟んでいるので柔らかい影付きです。また、上下に動けるスペースがあるので俯瞰撮影もそのままいけます。
それで今回はランチ(5種類)とメイン料理数種類を撮影です。皿の大きさや高さもけっこうな種類があり、料理に合わせてアングルを微調整しないとなりません。たとえばこちら;
こちらはこんな感じで撮ります;
また、料理の奥側から当てていないため、手前にレフ板を置く必要がないのでローアングルもそのままいけます。
こうしてこのライティングだと割とテンポよくバシバシ撮れます。むろんテザー撮影してますので時折クライアントに確認しながら「ちょっと違うなぁ・・・」と言われてもすぐに微調整して撮れます。
また、割と盲点ですが次の写真のような「深さのある器の料理」;
こういう料理(というか器)の場合、中の料理に光が入りづらいのですが、このライティングならレフ板を持ってもらうことで撮りやすくなります。
これは奥側からのライティングだと、カメラマンが撮るアングルにかなり制約が出るので撮りづらいと思います。
そしてこのライティングのポイントは大きな光源を使い、撮影アングルに自由度があるので、「あえて余白を作る撮り方」も簡単です。
どうでしょうか。
(まとめ)
・ライティングのセオリーは大事だが、あえて崩す柔軟性も時には必要。
・撮影意図や撮影プランを考えてセッティングを決める。
・光源サイズをうまく利用する。レフ板も大きければ「大きな光源」としての効果がある。
今回紹介したライティングが正解ということではありません。あくまで「考え方」としての例です。このブログやワークショップで言い続けている「原理原則の応用でしかない」ということです。
ご参考まで。
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