光源は照射面積で考える。~影をコントロール~
久しぶりの更新です。
今回はライティングを決める上でのキモとなる「光源」についてです。
かなり最初の頃に、「大きな光源・小さな光源」について解説しています。また、ワークショップの最初のほうのカリキュラムでもこれについて解説しています。ひとまず過去の記事をご紹介すると;
また関連するトピックとしてこちらもご参考に;
写真撮影におけるライティングの光源というのは、究極的には「影をコントロールする」ということだと思います(個人的に)。光質もむろんありますが、柔らかい光=影が弱い、硬い光=影が強いということになり、それを左右するのが「大きな光源、小さな光源」ということです。
ちなみに、ここで言う「光源」は「光量のことではない」です。割と「大きな光源」と「大きな光量」を混同されている方がいますが(というか言葉の定義の問題なのでややこしいですが)、まず、写真撮影における光源は「大きいか小さいか」で考えるほうが理解が早いです。
(※蛇足:前述しましたが言葉の定義なのでややこしいのだけど、ストロボ光、定常光なども「光源」です。そこの使い分けは都度状況で使い分けるしかない。また、英語でも”LightSourse”と言いますし、同様に使い分けてるようです)。
さて、先に結論から書きますが、光源の大小は「照射面積」で考えます。要するに照射面積が大きいほど影付きが弱く(柔らかく)なります。
そこでソフトボックスでサイズの比較をしてみます。
写真が小さいので見づらいのですが、撮影意図に応じてこうしたサイズを使い分けるわけです。
それぞれ反射型と直射型で光質は異なりますが、原理としては「照射面積のサイズ」によって影付きが変わります。それで↑の写真にストロボ(何も付けていない状態)も置いてますが、ストロボと比較するだけでも照射面積のサイズが影付きに影響するというのが直感的にわかると思います。
むろん、アンブレラも同様です。
それで注意したいのは多少大きさが違う程度(60インチと70インチなど)だとその差は僅差(感じづらい場合が多い気がする、ということね)です。また、被写体のサイズや、被写体の質感などでも変わります。このあたりは好みや撮影意図で使い分けることになりますし、経験を積んでその違いを自分の感じ方で理解するしかない。それに、それぞれのライティング機材には一長一短あるのも事実です。そのあたりは十把一絡げで説明するのが難しいところです。
たまに、「こういう場合はどれがいいですか?」と聞かれるのですが、そこに答えは無いわけで、「好みと撮影意図ですよ」と答えてます。正直なところそれ以上に答えようが無いわけです。強いて言うならポートレートなら、男性なら小さめ(影強い)、女性なら大きめ(影弱い)、というのが一つの選び方なのかなぁ、とは思いますし、ひとまず43インチのアンブレラ買っとけば?となります。
(まとめ)
・光源の大小は「照射面積」で考える。
・光源の大小で「影の付き方」をコントロールする。
・撮影意図=影の付き方、を具体的にイメージする。
こんなところでしょうか。ほんとこのあたりについては活字で説明するのが難しく、間違った理解をされると困る部分なのでワークショップでもけっこう回りくどく説明している部分ではあります。
ひとまず。
(補足)
基本的にシルバーアンブレラでも原理は同じです。ただ、シルバーアンブレラの場合、かなりシビアに光軸の影響を受けるので(検証中)、今回は触れてません。いずれ解説できる日が来るといいなぁ、とは思ってます。個人的には好んで使ってますけど。
(ワークショップに関して)
告知が遅くなりましたが今週末開催予定のワークショップはすでに募集を締め切っております。次回開催は未定です。
恐らく、次回はけっこう直前の告知になりそうな気がしてますが。。。
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