ヒントは目の中に ~キャッチライトの話~ (前編)
今回は「キャッチライト」の話です。
「キャッチライトって何?」と思われた方に説明しますと、撮影のときのライティングが目に写り込んだものを「キャッチライト」と言います。例えばこういう感じ。
瞳の中にソフトボックスが写り込んでいると思います。こういうことです。このキャッチライトがどう写り込んでいるかでモデルさんの印象はもちろん、写真全体の印象にも影響します。
それでこの写真↑はソフトボックスですが、ライティング機材以外にも「目の中の写り込み」にはいろんなものが写っています。カメラマンや周囲の人が写り込んでいることもあるし、どういうライティング機材を使っているかなども分かります。
なので雑誌などで気に入ったライティングがあったらとにかくモデルさんの「目の中」をじーーーっくり見ることです。
そこで今回はどの機材を使うとどういう写り込みをするか紹介します。
ちなみに当ブログは超低予算ですので、モデルさんを使えるわけもなく「サングラス」で目の代用してますからね。
●33インチホワイトアンブレラ
33インチなので小さめですが、立派に写り込んでいます。
●60インチホワイトアンブレラ
キャッチライトを作るポイントは、大きな光源は大きく写り込む、ということです。
そして次;
●33インチシルバーアンブレラ
これはシルバーアンブレラですがホワイトアンブレラとは違って硬い光質です。また、シルバー面がキャッチライトにも写り込んでいます。
●60インチシルバーアンブレラ
おそらくこの60インチかそれ以上のサイズのこうした「シルバーアンブレラの写り込み」はファッション系雑誌の表紙で頻繁に見かけます。「あ!」と思った方もいるのでは?と思います。
●ソフトボックス(長方形)
長方形のソフトボックスです。これは一番最初のサンプルに似ています。ちなみにこれは「縦」に使っていますがブームアームを使って「真上」や「上下(この場合二つ)」から当てて使うこともあります。これについてはキャッチライトの理屈が分かっていれば初見でも「ああ!」とすぐ分かります。
●ソフトボックス(オクタゴン)
丸いキャッチライトが特徴です。それで長方形とオクタゴンでは何が違うか?と聞かれるんですが、「キャッチライトが違う」のです。日本では人気がないと言いますか、馴染みが無いのですが、欧米ではポートレート撮影で使うならオクタゴンがポピュラーです。特に「一灯」しか使わないときなどソフトな光を照射しつつ、キャッチライトも丸く綺麗です。移動が多いウェディング撮影なんかでも使われているのを見かけます。
それで最後になりますが、最近頻繁に見かけるようになったビューティーディッシュ(いわゆるオパライト)です。
これはファッション系ではかなり人気のあるライティングです。コントラストの効いた光質が特徴で、キャッチライトもまん丸に写り込みます。特に欧米系のファッション誌では頻繁に使われているライティングです。これでビシッと決まると本当に印象的に撮れます。
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さて、今回はサングラスで代用していますが、人間の目では写り方が変わります(当たり前ですが人の目は「球体」なので)。ただ、今回紹介したそれぞれの機材の写り込みの特徴や形を覚えておけば、他の写真を見たときにどういうライティングでどういう角度で当てているかが容易に推理できるようになります。
(まとめ)
・キャッチライトもライティングの重要な要素の一つ。
・ライティング機材によって写り込むキャッチライトの形や大きさが違う。それによって写真の印象も変わる。
・キャッチライトの大きさは、光源の大きさに依存する。
こんなところでしょうか。
次回は「後編」ということで「どのように推理するか」をご紹介しますが、そんなの待つくらいなら書店に行って雑誌の表紙のモデルさんたちの「目の中」をじっくり見てみてください。ここで書いていることがすごーーーくよく分かりますから。
※すっかり忘れてましたがワークショップの募集まだしてますので合わせてよろしくお願いします。
※今回はギリギリになって「まだ空いてますか」ってのは勘弁してください<(_ _)>私の手違いで開催日に別件と被ってしまい、「!!!」と慌てたのですが、ワークショップのほうが先にスケジュール決めていたものの、今回は募集人数に達しなさそうなら早々に中止決定するかも知れません。
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