ソフトボックスの構造の解説
前回はアンブレラの話をしましたので今回はソフトボックスのお話を。
ソフトボックスって皆さん一度は聞いたことあると思いますが、これを避けて通ることはできないくらい大事です。世界のトレンドを見ても;
アンブレラ<ソフトボックス
です。これはアンブレラのように光がどこに飛んでいくのかわからないものよりも、より指向性があり、柔らかな光に人気があるということです。
それで、ソフトボックスにはザックリ分けて構造上2種類あります。
・直射式
・反射式
です。それで直射式はこういうタイプ。
一方、反射式というのはこういうタイプ;
です。それでそれぞれの中身はこうなっています。
特徴的なのは、「直射式」にはインナーディフューザーが入っていることです。ぶっちゃけこれが無いならトレーシングペーパーでも、書道用の半紙でも何でも良いんです。このインナーディフューザーがあるからこそ「直射式」が活きるのです。
●直射式の構造
直射式はストロボの照射面と被写体が向き合っています。
ストロボがこちら(被写体)に向いているのが特徴です。ちなみに背面はこうなっています。
●反射式の構造
反射式の場合、ストロボは被写体の逆を向いています。
直射式、反射式の両者は構造的にこうした違いがあります。
また、横から見るとこうなっています。
なお、直射式、反射式の構造について、大型ストロボだろうが、モノブロックだろうが、同じです。これ以外の種類って無いと思います。それで最初に結論を言ってしまうと、結果的には用途や好みで選ぶしかない、ということです。厳密には光質に違いがありますが、「万能」ではなく、被写体の表面の材質や、光沢で変わります。これは両方使ってみて、自分で判断するしかないです。
●照射例
(直射式)
(反射式)
両者の照射例を見る限り、反射式の方が影付きが柔らかく見えますが、これは単に照射面積の違い(直射式:60cm×60cm、反射式:60cm×90cm)であって一概には言えません。
正直なところこの例だけで光質の違いは表現仕切れていません。
ただし、私の主観ですが、あくまでこの「二製品の比較」で言うとインナーディフューザー付きの直射式の方がインナーディフューザーがある分光質が柔らかいように思います。しかし、前述しましたがこれについては使ってみて個人の主観で判断するしかないです。
●使い分けの例
この2タイプに関して、私の場合、大まかに直射式は商品撮影(主に小物)、反射式はポートレートという使い分けをしています。これは直射式の方がストロボの操作パネルが外部にあるので光量調整がしやすいということと、商品撮影ではそれなりにシビアに光を調整して撮る場合が多いからです。
(まとめ)
・ソフトボックスにはザックリ「直射式」と「反射式」の二種類がある。
・どちらが良い悪いというよりは好みの問題。使用環境や被写体によって「使い分ける」判断が必要。
・直射式はインナーディフューザー付きのものを選ぶほうがベター。ただし、影付きは「照射面積」に依存する。
※参考:「アンブレラサイズのはなし」
・光質は実際に試さないと判断できないし、被写体の表面の材質や光沢で見え方が変わる。
こんなところでしょうか。
まぁ、この世に万能なライティング機材なんてないんですよ。
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