盲点?露出と光質 ~後編~
さて、前回は「露出と光質」について説明しましたが今回はその続きです。
それで今回は代表的なライティング機材を使って検証してみましょう。なお、検証した条件は前回同様;
1/100、F5.6、ISO100
です。
●33インチアンブレラ
アンブレラはポピュラーなライティングと言いますか、もっともベーシックなライティングです。さて、結果を見てみると;
この実験では霧吹きの影がストロボ直よりも柔らかいですが、特徴的なのは影が「二重」になっています。これはアンブレラに光が当たりバウンスしたときに光が交差しているからだと思います。また、横に置いてある露出計の影付きも柔らかめなのはバウンスさせているためです。前回までの作例はスクリム越し、ディフューザー越しの「ストロボを被写体に向けて」いましたがこれはバウンスさせているのが一番の違いです。
この例では「33インチ(86cm)」のアンブレラを使っていますが、アンブレラのサイズで影の付き方は変わります(参考:大きな光源、小さな光源)。
●ソフトボックス(オクタゴンタイプ)
ソフトボックスは一般的にアンブレラよりも光の指向性が高く、コントロールしやすいのが特徴です。
・・・・、そろそろ違いが分からなくなってきてませんか?(笑)
ひとまずアンブレラよりも照射面にディフューザーが付いているので被写体の影が柔らかくなっています。ソフトボックスの特徴はアンブレラよりも光を均質な面光源として照射できる点です。
それで最後。
●ルーセントタイプの33インチアンブレラ
これは透過させるタイプの33インチのアンブレラです。ストロボの発光部分に付けるディフューザーよりも「大きな光源」としてディフューズさせることが可能なのが特徴です。
バウンスさせているわけでありませんので、影が二重にもならず、比較的大きな光源のため影付きもソフトです。
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さて、代表的なライティング機材での比較検討もしましたが、同じ露出でも光質が異なるということはよくおわかり頂けたと思います。
ただ、「違いが分からないケース」もあったと思いますが、今回は「被写体の材質」に触れていないという点を忘れてはいけません。また、撮影環境によっても違ってきます。この辺りについては経験を積むしかないのですが、それぞれ一長一短あります。
(まとめ)
・同じ露出でも使用するライティング機材で撮影結果は変わる。
・撮影条件や使用機材でも違う。
・「被写体の材質」もライティングを決める上で考慮すべき。
最後に、「どの機材がお勧めですか?」と聞かれるのですが、こればかりは撮影目的や撮影意図などで人それぞれ違うのでどれが正しいというのはありません。
ただ、言えるのはとりあえず一つのライティング機材を使い倒してマスターすることでそれ以外のライティングとの使い分けができるようになる、ということです。
ひとまず。
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