黒いものを黒バックで撮る ~黒バック潰し 準備編~

さて、今回は「黒いものを黒バックで撮る」テクニックを解説します。

先日、当事務所のFBページで紹介したら反応が良かったのでこちらでも紹介しておきます。

ほんと撮影機材の撮影ってつまらないんです。だからこそライティングを工夫する余地が生まれます。また、商品撮影をする上でかなり重要なテクニックでもあります。

それで今回使った機材は;

●被写体中型ライトスタンド

余談ですが、このライトスタンド一押しなんですが、不人気です(笑)確かにちょっと大きいのですが、屋外で使うならこれ以外に無いんですけどね。

リングフラッシュ

これも実は不人気なんです。どうも世間は「リングフラッシュ」と「マクロリングライト」を混同しているというか、単に使い方知らないだけかわかりませんが、基本的にこの両者は別物だと思って良いと思います。「リングフラッシュ」はオパライトと同じくらいファッションやビューティー系のカメラマンは愛用するライティングです。

光質は固い光質でコントラストがはっきり出ます。光量落ちが激しいので大光量のクリップオンストロボを使わないとなりませんが、きわめて面白いライティング機材です。商品撮影にも使えるということで、紹介もかねて使うことにしました。今回はこれでライトスタンドの質感を強調しました。

●ストロボ

YN-560を3本

今回はストロボ3本使っています。黒い被写体の輪郭を出すにはサイドからの光も必要です。この辺に商品撮影の難しさというか奥の深さがあるわけですが、さすがに一本だけではドラマチックになりません。ちなみにリングフラッシュ以外のライティングは使っておらず、残り二本はベアバルブで使っています。

それでは早速ダイアグラム;

今回の場合、背景も「黒」である必要があります。被写体以外の部分を真っ黒にするにはストロボの光量と絞りのコントロールだけでは足りません。また、できる限り撮影場所も暗くする必要があります。実際の撮影風景はこんな感じです。

さらにポイントとしては「被写体と背景を離す」ことです。これは被写体に当たる光が背景に影響しないようにするためで、背景と被写体の距離が近いと背景が黒く潰れません。ここが盲点じゃないかと思います。

それで同じ設定で背景を白くするとどうなるか;

グレーにはなりますが、黒く潰れません。

これがけっこう面倒なポイントです。とくに室内で撮る場合は背景を黒くし、被写体と背景を離してセッティングする、また、室内の照明も暗くするということです。

ひとまず今回はこんなところにして、「実践編」に続きますが、まとめとしては;

(まとめ)

・黒い物を黒バックで撮るというのは手間がかかる。

・撮影スペースが必要で白バック飛ばしよりも難易度高い(と思います)。

・テクニックとしてはフラッシュエクスポージャー露出トライアングルなどを完全に理解している必要があり、「なんとなく」とか「感覚的に撮る」感じのテクニックとは違う。

「白バック飛ばし」の場合はなんとなく撮れますが、この「黒バック潰し」はそういう意味でも難易度が高いわけです。

ひとまず。

P.S.

第五回ワークショップですが、募集締切は5/20(月)ですので合わせてよろしくお願いします。

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