オフカメラストロボの種類を知る! ~前編~
ストロボをカメラから離れた場所で発光させることを「オフカメラストロボ」とか「オフカメラフラッシュ」と言います。カメラメーカーによっては「リモートストロボ」と言ったりしていますがやっていることはすべて「同じ」です。
ただ、実際にやってみようとすると何が何だか分からない、どういうやり方があるのか分からない、というご質問を頂きます。そこで今回はこのオフカメラストロボの種類について説明します。
大まかにオフカメラストロボの仕組みには3方式6種類あります。
・光学方式(光学スレーブ、オプティカルスレーブとか言ったりします)
├・赤外線
└・ストロボ同期(ストロボシンクロと言う場合もあります)
・コード方式
├・オフカメラシューコード
└・シンクロコード
・電波方式(ラジオスレーブ、ラジオトリガーとか言います)
├・ラジオスレーブ
└・電波方式と光学式のミックス
それで面倒なのはどうも「呼称が統一されていない」ことで、欧米でも言い方は人やメーカーによって異なります。慣れれば何のことを言っているのか分かりますが、やはり最初は戸惑います。ただ、原理としては;
光・有線・電波
の3方式を理解していれば問題無いと思います。ただ、例外として「光と電波ミックス」という製品があるにはあるのですが、その製品は私の知る限りでは日本で正規流通していません。
それでは各方式について説明します。
●光学方式
光学スレーブとか、オプティカルスレーブと言ったりします。それで光学方式には厳密には2種類あります。それは;
・赤外線
・ストロボ同期(またはストロボシンクロと言います)
です。混乱しそうですが落ち着いて読めば理解できます。
・その1:赤外線
まず、前者の「赤外線」はカメラメーカー(キャノン、ニコン)が採用しているメーカー純正の方式で、マスタースレーブユニット(※1)でオフカメラストロボを発光させたり制御させることができます。
なお、前述した「マスタースレーブユニット」ですが、最近のフラッシュ内蔵一眼デジカメにはマスタースレーブ機能が搭載されている機種があるので新たにマスタースレーブユニットを買う必要が無い場合もあります。これはカメラの説明書やカタログに書かれています。あと、メーカーごとに表記が違うのでご注意を。
(※1)キャノンは「スピードライトトランスミッター」、ニコンは「ワイヤレススピードライトコマンダー」と言っています。いずれも赤外線です。ただ、最近キャノンがスピードライトトランスミッターST-E3-RTという製品を発売しましたが、これは「電波方式」です。正直言って紛らわしいです。
メリットはハイスピードシンクロや、自動調光にも対応しており、クリップオンストロボとして使う場合と同じ機能が使えます(※メーカー純正のスピードライトの場合)。
一方、デメリットは赤外線を使うので日中シンクロで使用する場合に、太陽光によって正常に赤外線がストロボに届かなかったり、到達距離が短いなどのデメリットがあります。また、ストロボの赤外線受光部をカメラに向けておく必要があるため、アンブレラタイプのソフトボックスなどを使った場合、赤外線が受信しづらい場合があります。
この辺は撮影目的で使い分けます。
このポップアップタイプのソフトボックスの商品説明で、「赤外線スレーブ」について説明しています。赤外線スレーブでソフトボックスを使う場合、ストロボを外付けするタイプのほうが使いやすいです。
・その2:ストロボ同期
光学方式のもう一つの方法は、「ストロボ同期」です(ストロボシンクロとも言います)。こちらは赤外線式の「ストロボ版」で、赤外線の代わりにストロボの光で他のストロボも発光させる方法です。
それでこの機能はストロボの機能に依存するのですべてのストロボで可能という訳ではありません。機種に依存するので買う前に確認する、すでに持っているストロボなら説明書で確認します。
メリットはストロボ同期機能のあるストロボと、ストロボ内蔵のカメラがあればオフカメラストロボができるという点で他の方法よりも手軽です。一方、デメリットは赤外線同様日中シンクロなどで反応しない可能性があるのと、赤外線のような細かな設定はできません、カメラ側のストロボを発光させるのでストロボ光の必要の無いところにもストロボの光が当たることです。
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ひとまずここまで説明しましたがどうでしょうか?いささか複雑な気もしますが、実際には最後に説明する「電波方式」が主流だと思います。ただ、皆さんそれぞれ好みや持っている機材で使い分けると言いますか、撮影目的でどの方法を使うか変わります。
それでは次回に残りの説明をします。
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