続・大きな光源、小さな光源
先日、「大きな光源、小さな光源」という話を書きました。
それで本日はその中で書いた「影の付き方が変わる」ということで影の付き方の違いを説明します。
そして最後に「Flash Exposure(ストロボ露出)」について触れます。
この「Flash Exposure(ストロボ露出)」が実は超ぉお~~重要なのです。
いずれちゃんと「Flash Exposure(ストロボ露出)」について説明しようと思っていますが(たぶん)、それを理解する上でも重要なのです。
さて、本題へ。今回もカメラ側はマニュアル設定で、数値はISO100、F5.6、1/100秒、です。また、今回ストロボはYN-560を使い、光量は1/32です。
1.そのまま照射(「ベアバルブ」とか「ストロボ直」と言います)
影の付き方が分かりやすいように今回は「斜め」に光を当てています。ダイアグラムは;
影の付き方がかなりきつい(ハッキリ)です。一眼デジカメ、コンパクトデジカメ問わず、ストロボ使って撮ってみたら「なんか不自然な影」が付いているのに不満を持った方も多いと思います。
特に人物撮影の時にそう感じた方が多いのではないでしょうか。元々ストロボから照射される光の質は硬く、ストロボのメーカーや機種問わずこの光質に例外は無いように思います。だからこそいろんなディフューザーやらライティング機材を使うということです。
さて、次に小さなクリップオンストロボに取り付けるタイプのディフューザーです;
2.ディフューザー(小さい奴)装着時
「ストロボ直」よりも若干ソフトになっていますが、ディフューザーを付けているので全体の光量は落ちています。そして光源としての面積が小さいため「影」はクッキリ付いています。
次は;
3.スクリム越しに照射
解説の前にダイアグラムを;
不自然な影は無くなり、全体的にマイルドなライティングになりました。ただ、光量が足りていないので「暗い」ですよね?ひとまずこの「暗さ」に関しては後述するとして、前回同様「スクリム(ディフューザー)との距離を比較」するために次の作例を;
●ストロボとスクリムの距離を縮めた場合
前回説明したように今回も作例「2」と変わりません。ダイアグラムは;
これも前回説明した内容を理解できていれば想像できる結果です。
それで作例「3」のディフューザー越しは「暗い」という件について補足を。
こうしたストロボを使って撮る場合、「ストロボの光量を調整する」というテクニックがあり、大きな光源(面積)では光量(ストロボパワー)が必要になります。
これは実際に作例を見た方が早いので作例を紹介します。カメラの設定はそのままでストロボの光量だけを変化させています。使ったストロボはYN-560で、一段ずつ光量を増やしていきます。
●1/32
これは前述した作例「3」と同じです。
どんどんいきます。
●1/16
これが適正露出な雰囲気でしょうか。影の付き方もまろやかで、全体がほどよい明るさになっています。ただ、適正露出というのは作画意図で変わります。
●1/8
ちょっとハイキーな感じですが意外とこうしたビジュアルは多いです。さらに次です;
●1/4
完全にハイキーです。ただ、被写体によっては背景が白飛びしてちょうど良い場合もあります。
●1/2
被写体が半分消えるくらいに白飛びしています。
そして最後;
●1/1
白飛びして被写体がほとんど見えてませんね。
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さて、ここで重要なのは「カメラ側の設定を変えていない」ということです。
露出を決めるのに「ストロボの出力(光量)」も使えるということです。一般的に露出を決めるのは;
・シャッタースピード
・絞り
・ISO感度
の3つとされていますが、ストロボの光量も露出の決定要素として使える(重要)のです。日本では全く馴染みのない撮影技術と言いますか、私は国内で聞いたこと無いですがこうしたストロボの光量で露出を決めるやり方を;
「Flash Exposure」(=ストロボ露出)
と言います。日本語で言うなら「ストロボ露出」がしっくりくるかな?と思うので私はそう言っています。
この「Flash Exposure」に関してはいつか改めてちゃんと説明したいと思っていますが、これって活字で説明するのがなかなか難しく(私の文章力にも関係していますが(T_T))、理屈が分かってしまえばなんてことはないのです。
そしてこの理屈が分かれば「マニュアル撮影が楽勝で」できるようになります。
また、蛇足ですが私が常日頃「光量調整できないストロボなんて要らねー!」と言っているのはこの「Flash Exposure」が使えないからです。もっと言ってしまえば「自動調光機能」なんて無ければ無いでなんら問題はないのです(※以前書きましたが大型ストロボに付いていない機能なので無くてもいいんです)。
ただ、理解する上でISO感度、絞り(F値)、シャッタースピードを理解する必要がありますが、この辺も追々解説したいと思います。
かといってあまり気難しく考えないようにね。ザックリ理解できればOKなので。
ひとまず。
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