たかが一段、されど一段、照射角度の話 ~前編~
今回はクリップオンストロボの「照射角度」のお話です。
これは何かというとクリップオンストロボの上位機種って照射角度が24mm(約84度)から105mm(約23度)の間で変えることができます。これはマニュアルでも、ズーム連動でも変えられる機種が多いと思います。それでこの「照射角度はどれが良いんですか?」と聞かれます。それで私はいつも24mmなので「24mmで良いんじゃないの??」と答えていますが皆さんどうも納得しかねるようですので、実際にどのように変わるか見てみましょう。
●4mの距離から壁に当ててみる。
それで壁に印を付け4mの距離から中央から上下50cm、左右1mの位置で24mmと105mmの2パターンを露出計で測定しました。露出計はシャッタースピード1/100、ISO感度100で設定しています。またストロボはGN58で出力は1/4です。
●105mm
少し光が下に向いてしまってますが、ザックリとこんな感じです。
(※露出計の解説してませんがこの場合、数値が大きい場所ほど明るいということです)
●24mm
105mmに比べて全体に光が当たっている一方、集光という点では105mmよりは弱いです。実際に測定した数値を見ると概ね一段分くらい弱いというのが分かると思います。
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とりあえず、24mmと105mmでは約一段分くらい違うというのが分かったと思います。そこで問題になるのはこの「一段分の差」を「たかが一段」なのか「されど一段」なのか、ということになるかと思います。
一口に「一段分」と言ってもISO100とISO200ならさほど違いが無いようにも思いますがISO1600とISO3200だと、いささか胸にグッと来ると言いますか、撮影するときに覚悟が必要なISO感度のようにも思いますし、絞りで言うとF8とF11はさほど変わらなさそうですが、F2.8とF4.0は被写界深度に影響しそうにも感じます。
なので、この「一段分」をどう捉えるか、がポイントになるかと思います。
(まとめ)
・ストロボを直接被写体に当てる場合、24mmと105mmでは露出にして一段分くらい違う。
・あとは好みというか使い分けの問題。
逆にストロボの照射角度で露出を一段分くらい上げたり、下げたりすることも可能ということでもあるわけです。
今回はストロボ直接当てた場合の比較でしたが、次回はアンブレラを使うとどうなるかを説明します。
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29日開催予定のワークショップですが、当事務所規定の募集人数に達しませんでしたので開催しません。なお、一応、来月も予定していますが、まだスケジュールが確定していないので未定です。決まり次第告知しますのでその際にはよろしくお願いします<(_ _)>
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