アンブレラのサイズのはなし

今回はアンブレラのサイズのお話です。

この辺はライティングを決める上での「キモ」になる部分です。基本的にプロカメラマンでも感覚的に使い分けている方が多く、曖昧だったり、知らない人はいます。

ただ、そうは言っても難しくないです。

まず、散々クドクド言い続けている、「大きな光源、小さな光源」が前提になります。これはもうね、原理原則なので完全に理解していないとダメです。(読んだことのない人は必ず読んでください。)

大きな光源、小さな光源

続・大きな光源、小さな光源

さて、アンブレラを買うときに、サイズが違いや照射面がホワイトやシルバーだったりと初めて買うときにどれを買えば良いのか悩むと思います。ただ、これは「どういう光質」が欲しいかによるので正解はありません。

それで今回は3種類のホワイトアンブレラを使ってサイズによる光の違いを説明します。用意したのはこの三種類。

日本国内でポピュラーなのは33インチ(直径約86cm)、44インチ(直径約110cm)だと思います。おそらくこのどちらかを持っていればまぁ、可もなく不可もなく撮れると思います。また、この二種類は値段もリーズナブルです。

それでは早速撮影例を見てみましょう。ちなみにカメラの設定、ストロボ光量はすべて同じです。

●33インチ

●43インチ

●60インチ

さー、どうでしょう。これだけ見ても「ぽかぁ~ん」となるだけです(笑)ひとまずここで理解しておきたいのは、照射面積の違いです。

●3種類比較

この照射面積の違いというのがポイントで、被写体の影の付き方が変わります。

●33インチ

●43インチ

●60インチ

さー、どうでしょうか。これは一目瞭然です。「?」となった方のためにこの3例を並べるとこうなります。

●3種類比較

要するに照射面が大きくなればなるほど影付きが柔らかくなるということです。ただし、一つ注意しなくてはならないのは照射面の大きなアンブレラを使った場合、光量が落ちる点です。この撮影見本では光量落ちがわかりづらいですが、よく見るとうっすら暗くなっているのがわかると思います。

なので大きな光源を作るときは光量の大きなストロボが必要です。

(60インチサイズのアンブレラ)

60インチサイズのアンブレラについて触れませんでしたが、撮影意図に「影」が不要な場合などは60インチ、もしくは72インチサイズを使っています(私の場合)。理由は「影付きの違い」ですが、大きな光源には「ラッピング効果」というのがあってこの特性を使うと撮影アングルの制約が無くなるからです。

●参考:72インチのホワイトアンブレラ

かなりというか、シャレにならないサイズです。ただ、光の回り具合は抜群です。

(まとめ)

・光源の大きさ(照射面の大きさ)で被写体の影の付き方が変わる。

・アンブレラにいろいろなサイズがあるのには前述したような理由がちゃんとある。

・実のところ「大きい=綺麗な光」というのがトレンド。

・光の回り方と影の付き方はセットで考える。

・別に「影=悪」ということではなく、あくまで撮影意図で影をコントロールすること。

こんなところでしょうか。

※すっかり忘れてましたが5/26開催の第5回ワークショップ5/20(月)が締切です。

相変わらず申し込みは渋いのですが(笑)開催決定です。今回は人数を絞り、さらに濃厚な感じにカリキュラムを再考中です。なので卒業生の方にも参加頂き、過去のワークショップの内容と比較検証するという試みもやる予定。回を重ねるごとに内容がブラッシュアップされていくのはとても心地よいもんです。

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