「適正露出」なんて無い。

今回は「適正露出」の話です。

それでなぜ、こんな話をするかと言いますと、「露出計の説明をして欲しい」という要望が少なからずあります。要するに「露出計で計測した露出が『適正露出』だから『正解』なんでしょ?」ということだと思うのですが、これは間違いです

たびたび書いておりますが、「撮影意図」が最優先であって「露出」というのは後回しです

※念のために書きますが、「露出計」を使うことが「正解」ではありませんからね。露出計はあくまで「計測器」であって「正解を示してくれる機械」ではありません。電卓と同じで使い方を間違ったり、そもそも計算が間違っていたら全く意味がありません。ここを誤解している人たちが本当に多いです。

また、「適正露出」という言葉の使い方がおかしいと言いますか、何というか・・・・。英語では「Perfect Exposure」と言ったりしますが、ニュアンスとしては「そうそうこれこれ!」みたいな使われ方だと思います。

要するに「適正露出」にも「Perfect Exposure」にもこれと言って客観的な指標があるわけではない、ということです。

さて、ここで「おいおい、何を言っているんだお前は!」という方に質問です。

次の三つの写真で「適正露出」はどれですか?

●A:F4.0、1/125、ISO200

●B:F4.0、1/60、ISO200

●C:F4.0、1/30、ISO200

さて、どうでしょうか?どれが「適正露出」ですか?

それぞれの露出を解説すると;

●A:中央部重点測光で自動的に決められた露出(←おそらく「正解」を欲しがる人たちの一般的な「適正露出」と思っている露出)。

●B:Aの露出を露出補正で+1段。

●C:Bの露出を露出補正で+1段(Aの露出の+2段)。

です。

おそらくあなたが選んだのは「適正露出」ではなく「好きな露出(というか「写真」)」だと思います。

違いますか?ね?

なので「適正露出」というよりは、「どれが一番好きですか?」が正しい聞き方で、「適正露出」という言葉の意味とは違います。複数の人にこの三種類の写真を見せ、投票してもらうとバラバラの結果になると思います(※ワークショップで実験済み)。ある程度偏る結果になると思いますが、「全員一致」はしません。

これが「適正露出なんて無い」と言っている理由です。

そうは言いつつさらに、皆さんからの回答を集計してみたいと思います。

Q.「適正露出はどれですか?」(←クリックするとアンケート画面に移動します)

(※統計的に信頼足る母数が集まれば後日紹介しますので是非ご協力お願いします♪&自由にコメントを書ける欄もご用意しましたw)

要するに(何度も書いていますが)自分がどういう撮影イメージで撮るかの方がはるかに重要です。

それで測光方式にもよりますが、あくまで「目安」であって欲しい撮影イメージとは違うことが多々あるということです。

(まとめ)

・「適正露出」は幻想であり、露出に「正解」はない。

・正解があるとすればそれは「撮影意図」に依存する。

・その写真を使う人が納得する露出が正しい露出。プロならば「お客が納得」すれば良いのです

また、ときおり知ったかぶりの人が「ハイキーだからダメ」とか「ローキーだからダメ」などとほざくアホ人がいますが、ハイキーがダメ、ローキーがダメ、なーんてことは一切ありません。そもそも写真に「ダメ」なんて無いんです。同様にヒストグラムを見て善し悪し判断するアホ人もいますがこれなんて愚の骨頂です。

そこにあるのは「好きか嫌いか」、「アリかナシか」だけです。

極端な話が写真の善し悪しなんてものは、その人の好みです。

こうした話を前提にいずれ「露出計」の解説をする予定です。

(※口頭だと5分で説明できるんだけど、文章で説明するのほんと難しいんですよ・・・、しょせん「計測器」なのに・・・(T_T))

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