歪曲収差は「悪」なのか?

撮影用語というか写真用語に「歪曲収差」という言葉があります。

これは何かというと撮影した写真が何かしらの原因で歪んでいるというもので、レンズの特性というかクセなんかを表現するときに使われる用語です。

それでこの単語は某価格比較サイトとか、amazonの商品レビューで時折見かけるのです。それで歪曲収差にはザックリ2種類ありまして(以下、wikipediaからの引用);

●樽型:中心部が膨らむようなゆがみ。

●糸巻き型:中心部が収縮するような歪み。

ということです。wikipediaには「陣笠型(樽型と糸巻き型の複合)」というのもあるようですが私は見たことありません(※気付いていないだけかも知れませんが(笑))。

それで歪曲収差が発生するのは別に特別なこともでもありませんし、撮影角度でも樽型になったり、糸巻き型になったりもします。また、魚眼レンズというのは「歪曲収差」という意味では完全に樽型のレンズですし、そういう意味では「歪曲しまくり」ということになります。

さて、私が言いたいのは前述したような某価格サイトやら商品レビューで「歪曲収差があーだこーだ」言っているのをみていると本質的ではないよな、といつも思うわけです。しかも見ているとかなりの確率で「嘘が混じっている」ので初心者の人には百害あって一利無しですし、ああいうのを読んでいると「歪曲収差=悪」だと思ってしまう人も出てきます。

ただ、当ブログの読者層はかなり本質を見極めている方たちですので敢えてそこに触れる必要性を感じていないのだけど、やはり聞かれることもあり、僭越ながら私見を述べようと思ったわけです。

それで、私は歪曲収差に関してはレンズの特徴でもあるので善し悪しを語るべき内容でも無い、という考え。むしろその特徴を生かした撮り方のほうが重要だと思っています。それに表現手段として撮影者が必要と考えるならアリだと思っているので一概に「悪」だとも言えない(※好みの問題、という側面があるのは事実です)。

それでも「おまえはそう言っているけどさ・・・」とお思いになる方もいらっしゃると思いますし、それはそれであくまで私の私見なのでごもっともだと思います。でもねよーーーく考えれば簡単に理解してもらえると思いますが;

そもそもレンズは丸いのだから歪んで当たり前

ということです。丸いレンズで撮影したものが長方形に収まるほうが不気味じゃないですかね?(笑)

今は技術が進歩しているのでデジタルで撮影されたものはソフトウェアで修正可能です。ただ、歪曲の仕方がおかしいからと言ってノーガキを垂れるのは本質的ではないと思いますけどね。。。

昨今、日本国内で売られているレンズというのは各メーカー光学技術をフルに使っているわけで、むしろレンズなんて10年以上モデルチェンジしないなんてザラという事情を考えると歪曲収差というのはついて回るということの裏返しでもあるわけです。それにも関わらず素人がそこを屁理屈こねても得られるものなんて何もない。

あくまで自分の表現に必要なスタイルを確立するほうがよほど重要。

どうでもいい屁理屈なんて気にせず撮ることに集中しましょう。

 

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