ソフトボックスの照射位置考察 ~後編~
さて、前回はソフトボックスを「横から当てる」というテクニックを紹介しました。
それで今回はちょっと小手先テクニックにはなってしまいますが「後ろから当てる」パターンについて紹介します。
まぁ、どちらかというと「横」をやったので一応「後ろ」もやろうかな、ということです。それで今回は以下の3パターン;
では早速見ていきます。
●Aのパターン
パッと見た感じ悪ふざけにも見えなくもないのですが、まぁ、そこは考察なのでね。
被写体から離れたところにありますが、それなりに光が当たっています。
これだけだとわかりづらいのでもう少し被写体に寄ってみます。
白く線を引いたあたりにリムライトっぽい光の感じが出ています。全体的に光が回っているように見えなくもないのですが、この程度なら撮影環境に依存する部分でもありますので一概には言えません。
ひとまず「こういうもんだ」くらいでいいのかな?とは思います。
さて、次。
●Bのパターン
こちらはAのときよりも被写体に近づいているのでよりリムライトとしての効果が出ています。
とりあえずこちらももう少し近くで見てみます。
さて、よく見ると前回の「横」と違い、被写体の正面全体に影付きはなく、全体的にフラットな感じの光が回っています。この写真だけで説明するのは難しいのですが、大きな光源から照射される光は被写体を被い包むように光が回る(ラッピング効果と言ったりします)性質があります。後述しますが最近の女性誌にはこのラッピング効果を使った撮り方しているものが増えているように思います。
●Cのパターン
単純に真後ろですが、これは「白バック飛ばし」ですね。いろいろなところで言っていますがソフトボックスは白バックとばしの背景に使えます(アンブレラでもできますが)。それで「ラッピング効果」について前述しましたが、背景の露出をオーバー気味にするとこういう効果が得られます。
被写体全体が白っぽく、なんというか「ほわーっとした感じ」と言いますか、白っぽくなっているのがラッピング効果の特徴です。これを言葉でどう表現するか難しいところですが、英語ではSilkyとかMilkyとか言うみたいです。ただ、この辺は表現する人のボキャブラリーに依存するところかとは思います。
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いずれにせよソフトボックス、アンブレラ、いずれも「前から当てるだけ」ではなく撮影場所や広さなど、いろいろとバリエーションを増やせるシチュエーションは多いです。この辺は撮影時に「冷静に、落ち着いて現場を観察する」ことも必要ということです。
(まとめ)
・前から当てるだけがライティングではない。参考:「光は前から当てるとは限らない」
・撮影場所やスペースで臨機応変にセッティングすることでバリエーションが増やせる。
・白バックとばしの背景としてソフトボックスを使うというのは意外と使えるテクニック。
今回のところはこんなところで。
(蛇足)
22日開催のワークショップは当事務所規定の募集人数に達したので開催です。久しぶりなので当日までにカリキュラムの見直しとシミュレーションをするつもりです。私自身、このワークショップを繰り返し、受講者の方々のリアクション見ながら話方変えたりしてます。おかげでかなりしっかりと「原理原則」に徹底したカリキュラムになっていると思います。
ちなみに現時点で三月開催は未定です(私のスケジュール次第ですが、直前に告知しても誰も来ない可能性あるので迷っています)。
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