光は前から当てるとは限らない。
さて、今回はライティングのテクニックのご紹介を。
よく、「光はどうやって当てれば良いんですか?」と聞かれます。それでそれに対して私は「どういう風に撮りたいの?」と質問に対して質問で返すという無礼なことをしています。
でも、ライティングには正解は無いのであり、別に正面から光を当てなくてはならない理由はないのです。それで以前撮影したヨガの先生のポーズですが、違うライティングもしましたのでご紹介。
ダイアグラムはこれです;
それでボックスタイプのアンブレラ(UN-005)を使ったのは、通常の透過タイプだと狭いスタジオで使った場合、光が回り過ぎてしまうからです。
基本的には撮影環境で選ぶ機材を変えると言いますか、持っている機材の長所短所をどう使いこなすかが重要なんです。また、光には「ラッピング効果」があって、大きな光源になるほど被写体を包み込む性質があるのですが、この性質を逆手に取って使っているわけです。
このライティングの場合、被写体の持つ体のラインの美しさや筋肉を強調するために、敢えて「影」を作り出すことを想定し、そしてモノクロにすることによってコントラストを強調しています。
(まとめ)
・被写体に対して正面から光を当てるだけがライティングテクニックではない。
・撮影意図を明確に持ち、被写体の長所をどう引き出すかを考えてライティングを考える。
・光の性質を理解することで表現の幅が広がる。
ということです。また、ストロボをたくさん用意しなくとも、一つのストロボで表現できるテクニックはまだまだあるのです。
ちなみに、第四回ワークショップのバナーの写真もこのライティングです。
ご参考まで。
(余談)
当事務所主催のワークショップではこうした原理原則を徹底的に教えています。ここまでやっているのは国内で当事務所のワークショップだけです・・・、たださほど広まっていない・・・。
先日、某プロカメラマンと話したときに「このワークショップが世間に知れたら仕事しづらくなる」と言われ、広まらない原因はここにあるのかな?と感じました。「良い物」は口コミで広がるものだとばかり思ってたので意外でした(笑)
ただ、この点についてはそんなことはなく「ビジネスとしての写真業」をどうすべきか、であってライティング技術とは全く違うと断言できます。この点に気付いているプロカメラマンは皆無だと思います。
と、いうことでまだまだ第四回ワークショップ募集中ですので興味のある方はお早めに♪
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