ストロボ撮影のための「絞り」

以前、ストロボ撮影でのシャッタースピードは「環境光のコントロールする」という役割があると書きました。それで今回はストロボ撮影時の「絞り」の役割について。まず結論;

絞りでストロボの光をコントロールする

ということです。絞りは被写界深度だけではない、ということです。

それでどういうことかというとまたしてもGIFアニメでザックリ見てみます。設定はISO100、シャッタースピード1/100で固定しています。F22からF4まで7段分変化させています。

シャッタースピードの変化との違いはストロボの光が切れない点です。このストロボ光が切れないがゆえに「ストロボ光のコントロール」するということです。また、奥の空の明るさも変化しています。

ただ、そうは言っても理論上被写界深度が変わるわけですが、あくまで「理論上」の話で被写体や撮影環境で変わります。

さて、そこで「露出の基本『露出トライアングル』」でお見せした図を参照します。

この図でみると分かるとおり、絞りとシャッタースピードは表裏一体の関係にあるってことです。

さて、実際の撮影ではストロボ側で光量を調整する場合もありますが、環境光とストロボ光を絞りで同時にコントロールすることで背景の露出を調整します。

(F14、ISO100、1/200)

この撮影例の場合、撮影イメージは「真っ暗な中で花が浮かび上がる感じ」です。ストロボ光を花にだけ当たるようにセッティングし、シャッタースピードと絞りで環境光をシャットアウトしています。当然ストロボ自体の光量が必要ですが、ストロボでの光量調整だけでは被写体周辺にも光が回ってしまいます。

(F10、ISO160、1/160)

二枚目の作例は最終的なイメージにたどり着く前段階で撮ったのですが、背景が写ってしまっているのが分かると思います。こうした光はシャッタースピードだけではコントロールしきれないので絞りでコントロールするわけです。

すなわち、絞りでストロボ光をコントロールするときの考え方としては余分なストロボ光をシャットアウトするような使い方、とイメージすると分かりやすいかも知れません。

こうしてそれぞれの設定をバランスを調整しながら撮影し、最終的なイメージに近づけていく、というわけです。

(まとめ)

・絞りにはストロボ光をコントロールする役割がある。

・絞りでストロボ光をコントロールする場合、被写界深度に影響する。ただし、被写体や撮影環境で変わる。

・常に撮影結果をイメージしながら「露出トライアングル」のバランスを考える。

今回の「絞り」に関しても今回で完全に理解できないかも知れないので引き続きいろいろな説明の中で盛り込んでいきます。これは実際の作例で説明したほうが分かりやすいですし、数回自分で試してみるとすぐに理解できると思います。

 (参考)

そこで「偉そうに説明してるけど、それでどういう写真になるんだ?」ということで前述の写真の撮影結果の説明を。

最初の撮影例を補正したのが↓の写真です。

ライティングはソフトボックスブームアームだけでかなりシンプルです。光は真上から当てています。

撮影後はAdobeLightroomで補整していますが、ライティングに関して言えばシンプルな構成です。そして真上から当てているのですが花の上部から茎の部分にかけて光量が落ちているのが分かると思います。これは以前説明した逆二乗の法則の効果で光量が落ちています。

オフカメラストロボと言いますか、ライティングって皆さん難しく考えてしまって「難しい・・・」となりがちなのですが、実際にはそんなに難しいことはないです。

何度も書いていますが難しく考えないこと、練習すればこの程度はサクッと撮れるようになりますからね。

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