盲点?露出と光質 ~前編~

今回は露出と光質についてのお話しです。

これはどういうことかと言うと露出が同じでも光質は異なる、ということです。

さて、光質にはザックリ2種類あります。

・硬い光

・柔らかい光

言葉の表現としてはいろいろありますが、「硬い」「柔らかい」かくらいのもんだと思います。人によって見え方や感じ方の違う部分ですが、まぁ、あとは言葉の問題です。今回はこのあたりについて説明します。

それでライティング機材で光質が変わるのですが機材によって光量の落ち方(光量落ち)も変わるため、ストロボの強さを調整して露出を合わせています。これは以前説明した「フラッシュエクスポージャー」です。

なお、これから紹介するものはすべて;

1/100、F5.6、ISO100

に露出を合わせています(※単体露出計を使っていますが露出計の使い方はいずれ)。なお、使ったストロボはYN-560Ⅱです。

では早速見てみましょう。

●ストロボ直(ベアバルブ)

まず最初にストロボ直接当てた場合です。ストロボ光量は「1/16」です。ストロボを直接当てていますのでかなり硬い光です。↑の写真でもスピードライトの発光部分の形(長方形)が写っているのが分かります。

そしてその下のサンプルを見ると被写体(霧吹き)が透明なので影が滲んでいますが、その下にある露出計の影が「クッキリ」しているのが分かると思います。これは完全に「硬い光」です。被写体(霧吹き)の右側が白く飛んでいるのも特徴です。

さて次;

●クリップオンストロボ用のディフューザー

よく売られているクリップオンストロボの発光部分に付けるディフューザーを付けます。

それでこのときのストロボの光量は「1/4」でストロボ直よりも二段分くらい光量を増やしています。ポイントはライティングの機材を付けたり、バウンスさせて発光させると相応に「光量落ち」するということです(※日頃光量調整できないストロボはダメ、と言っているのはそういう理由です)。

ディフューザーを取り付けることでストロボを直接当てるよりも柔らかくなりますが、「若干」です。下の露出計の影の付き方に変化が見られませんがこの辺は「大きな光源、小さな光源」とも影響してきます。

散々、と言いますかしつこく言っていますが「光源の大きさ」というのは常に意識しないとなりません(※「距離」も重要で距離は「逆二乗の法則」と関係します)。

さて、次;

●スクリム越し(小さな光源)

これはスクリム(紗幕)越しにストロボを当てていますが、スクリムとストロボの距離が近く、いわゆる「小さな光源」です。この時のストロボの光量は「1/4+0.7」でディフューザーを付けたときよりも約2/3段分光量を増やしています。

それで撮影結果を見てみると;

クリップオンストロボに取り付けるディフューザーよりも若干柔らい光になりつつも、「小さな光源」であることに変わりはなく、露出計に付いている影はさほど変化が見られません。

●スクリム越し(大きな光源)

今度はスクリムとストロボの距離を離しています。いわゆる「大きな光源」です(光源の大小は「照射面積」と理解しておけばOKです)。それでこの時のストロボの光量は「1/2」です。この前の「スクリム越し(小さな光源)」よりも光量が増えているのは光源が遠くなると光量落ちするためで、これは以前説明した「逆二乗の法則」です。

影の違いがよく分かります。また、被写体の「霧吹き」にあたる光の具合も今回の作例の中で一番光の回り具合が自然です。

これは今までの作例と比較し、光源が大きくなっているのがその主たる理由なのですが、ただ、露出計の周辺と、画面の左側を比較すると光量落ちしているのが分かると思います。これも「逆二乗の法則」が効いている証拠です。

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ひとまず前編はストロボ単体の場合を見てきました。これだけでも「露出と光質」の関係が分かると思います。どーんなに露出を工夫しても「光質」で撮影結果は変わってきますし、それぞれのライティングの光質、光量落ちに特徴があるってことです。

(まとめ)

・露出が同じでも光質で撮影結果は変わる。

大きな光源、小さな光源逆二乗の法則フラッシュエクスポージャー、などとの関連を意識する。

こんなところでしょうか。次回はアンブレラやソフトボックスでどうなるか説明します。

ワークショップですが、残り「一名」です。

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