これでバッチリ!「被写界深度」 ~後編~

さて、今回は前回に続き「被写界深度」の話です。今回は被写体と背景の距離が短い場合にどうなるか、です。

今回もまたこちらのGIFアニメから。撮影条件は絞り優先モードでISO感度、シャッタースピードはオートです。絞りはF4からF22までの6段変化させています。まずは105mmから;

違いというか変化が分かりませんね。それでトリミングして拡大してみます。

絞りを6段変化させていますがさほど違いが分かりません。強いて言うならいささか背景がスッキリしないと言うか、眠たい感じといいますか、そんな感じです。

それでは24mmの広角はどうか見てみましょう;

わずかに105mmよりも被写界深度が深いのが分かるでしょうか。こちらもトリミングして拡大してみると;

絞りを6段変化させていますが105mmよりもさらにその違いが分かりづらいです。これは背景との距離もありますが、そもそも広角レンズは被写界深度が深いことに起因しています。

さて、そこで前編の最初に書いた、被写界深度を決める4つの要素を思い出してみましょう;

・絞り

・焦点距離

・カメラと被写体の距離

・被写体と背景の距離

これから分かるように被写界深度の浅い深いは単純にレンズの明るさに依存する訳でもなく、日本人の大好きな「ボケ味」に関して言えば明るいレンズ(F値の小さいレンズ)に拘る必要もないし(ただし、ボカし易いのは確か)、暗いレンズ(F値が大きい)だからといってボケ無い訳でもないということです。さらに言ってしまえばぼかすぼかさないというよりも上記の被写界深度を決める要素を理解していれば、どういう撮り方やシチュエーションなら被写界深度が浅くなるか深くなるかを理解していた方がよほど使えるテクニックです。

この理屈を理解していればiPhoneでもボカすことができます。

iPhoneの場合、焦点距離が35mmフィルム換算で33mm程度(広角寄りなレンズ)、絞りはF2.4固定なので、被写体に近づいて被写体と背景の距離を離せばボカせる、というわけです(※参考:iPhoneのカメラが楽しい)。

(まとめ)

・なんでもかんでもボカせば良いというものではないし、ボカすためだけに明るいレンズに拘る必要もない。

・被写体と背景の距離が短い場合はその効果は薄い。

・広角レンズはもともと被写界深度が深い。

・ストロボ撮影するときは絞りがストロボの光量に影響するのをお忘れ無く!

いずれにせよ普段使っているレンズの焦点距離やクセ、撮りたいイメージなど被写界深度を考えるにはいろいろな要素が絡み合うのを意識しましょう(※慣れればどうってことないですが)。

それで前編と後編で二度にわたって被写界深度について説明しましたが、恐らくこれくらい理解していれば十分なんじゃないかと思います。

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