コラム:機材の寿命と補強のはなし

いきなり「箸と鉛筆」の写真で恐縮ですが、これは「あとで」出てきますのでね。

さて、今回は機材の寿命と補強のお話です。

撮影機材、特にアンブレラやソフトボックスは「ファブリック製(布やナイロンなどね)」なので寿命があります。概ね私の場合で1年か1年半くらいでダメになります。「ダメ」と書きましたが使えないことはないのだけど、お客さんの手前あまりボロボロの機材を使うというのも失礼なのでいささか不格好になったら買い換えています。というのもライティング機材は基本的に消耗品だと思っているからです。

そこでどういう風に寿命が来るかと言いますと、一番目立つのは「シャフト」です。

※ソフトボックスもディフューザーがボロボロになりやすいですが今回は割愛。

あとで説明しますが、締めすぎるとシャフトが潰れます。こんな力入れて締めなくても全然問題無いのですが、スタッフや臨時のアシスタントさんにセッティングをお願いすると締めすぎてしまってこうなります。

理由は単純でシャフトはパイプ状のものを使っているので中が「空洞」なんです。

それで、時折おかしな人がいて;

「締めたらシャフトが潰れて使い物にならない。」

という人がいるんですよ。先に言ってしまいますがそんなバカ力で締めたらどんなシャフトでも潰れます。これを「鉄棒」にしたら重くて使えません。あまりこういう無知な人を相手にしたくはないので構わないのですが、自分の無知を他人のせいにされても困るんです。

さて、そこでちなみにですがさすがにソフトボックス(アンブレラタイプ)は構造的に固定ネジを締めないとなりませんが、アンブレラの場合テコの原理で締めなくてもけっこう使える場合は多いです。

例えば試しにこの角度でも固定ネジ締めてません;

使っているのは60インチのアンブレラですが、アンブレラの重さだけでけっこういけました。

それでこうしたシャフトが潰れる問題に関して、どうすれば回避できるかというとシャフトの中に詰め物すれば多少は改善されます。そこで最初の「箸と鉛筆」が登場します♪

当然これは100円ショップで買いましたよw

最初に結論から書いてしまうと実は鉛筆はシャフトと径が同じで使えませんでした・・・。

ちなみにシャフトの先端の蓋はペンチで挟めばすぐ取れます。

それとたまにシャフトの直径が何ミリかで揉める人いますが、だいたい外径7-8mmがポピュラーなんじゃないでしょうか(考えたこともありませんが)。

まぁ、ここで使っているアンブレラのシャフトは外径8mmなので内径がだいたい6mmくらいとなりますので、直径6mmくらいの棒状のものを空洞部分に入れて補強します。そこで「箸」の登場です。

この箸(竹製)をシャフトに入れます。こんな感じです;

箸は先端が細いので挿しやすいというメリットがあり、この発想は欧米人には無いだろうと少し誇らしく思いました。

あとは余った部分を適当に切ってしまえば良いのです。

実際にやってみて強めに締めてみましたが、それでもやはり潰れました(それじゃ何の意味があるんだ?というツッコミは無しでお願いします<(_ _)>)。まぁ、無いよりはマシかな?くらいです。

ただ、私ならそんな面倒なことするくらいなら買い換えますけどねw

(まとめ)

・ライティング機材は消耗品と割り切って、ガシガシ使い倒す。

・多少のメンテナンスや工夫で長持ちさせることはできるがそれでも限界がある。

・時には買い換える勇気も必要。

たまにプロの人でもボロボロのアンブレラ使っているカメラマンがいるにはいます。ただ、同業者ながらそれってお客さんにどう見えているのかなぁ?と思うことは多々あります。

よく「綺麗事」って言うじゃないですか、これって二つ意味があって;

1.実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄。

2.手際よく美しく仕上げること。

(出典:goo辞書)

で、前者の「1」の使われ方が一般的ですが、私は「2」の持つ意味がとても美しく清々しいと思っていて、かなり気を遣っている部分ではあります。

いつも完璧にできているわけではないのですが、「心構え」として重要視していて、当事務所のパートナーにも常日頃から言ってます。それに仕事(どんな仕事でもそうですが)というのは「準備→実行→後始末」の3つの段階を経て終わるんです。それで「後始末」というのは次の仕事の「準備」でもあるわけです。そこまでやってはじめて仕事としてお金を頂けると思っています。

・・・・、ん?いや、そういう「ちょっといい話」を書きたかったんじゃないんですけどねw

ひとまず。

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