「適正露出」なんて無い。~アンケート結果~

先日の「『適正露出』なんて無い。」の中で実施しましたアンケートの話です。

ご回答頂きました皆さんありがとうございました。

当サイトの読者数に対して集まった母数が少ないのですが結果としては;

A:中央部重点測光で自動的に決められた露出

9.4%

B:Aの露出を露出補正で+1段。

53.1%

C:Bの露出を露出補正で+1段(Aの露出の+2段)。

37.5%

と言った結果でした。

ここから見えてくるのはやはり結果は「バラバラ」ということです。また、頂いたコメントをご紹介すると;

「被写体がちょっと気持ち悪いですー」

と言う人もいれば;

「美味しそうです」

と言う人もいました。この両者のコメントは特徴的です。要するに見る人によって写真の印象なんて変わると言うことでもあります。今回、私のミスで聞き忘れましたが性別や年齢も質問に加えるともう少し面白いことが見えたとも思います。

露出に限らず、アングルや被写界深度にはその時代のトレンドがあるのも事実です。この辺は料理写真を撮っているカメラマンなら経験的に感じている方は多いと思うのですが、洋服や音楽に流行があるように、写真にも流行はあります。

あと、BとCの「中間」というコメントもあり、もしかすると「BとCの中間くらい」が着地点なのかも知れませんが、今回のアンケートはあくまで「実験」なのでシビアな差ではなくザックリとした「差」にしてます。むしろあの三枚の写真をさらに1/3段ずつずらすという方法もありますが、さすがにそれはメンドイw

最後に;

入射光式露出計で測光すると適正はBとCの間くらいでは?

というコメントを頂いたのですが、入射光式で測定(いわゆる単体露出計で測定)しても、そもそものイメージ全体のトーンが決まっていないと入射光式だろうが反射光式だろうが関係ないです。

単体露出計というのはあくまで「測定器」です。

簡単に説明すると、絞りやシャッタースピード、ISO感度の3つ(露出トライアングル)のいずれかを任意に決めた後に測定するのが単体露出計です。主にカメラに内蔵されている反射光式の露出計測方法とはそもそもが違います。

今、反射式の単体露出計を使うことってほとんど無いと思うので、皆さんご存じの「カメラ内蔵の場合」と限定すると、あれってカメラが測定し、その結果を「自動的にカメラが設定を変えている」だけです。また、カメラ内蔵の反射式測光方法にも、評価測光、部分測光、スポット測光、中央部重点平均測光とあります(※キャノン5DmarkⅡの場合。皆さんは使っているカメラのマニュアルを見てみてください)。

それでこうして4種類も測光方式があるということは、そもそも自動的に正しい露出を提示する測光方式なんぞ無い、ということのように思います。

さて、それで任意に決めた後」と前述しましたが、ポイントは;

・ストロボ光の場合:シャッタースピードとISO感度

・自然光(定常光)の場合:絞り(もしくはシャッタースピード)とISO感度

を決定したあとに「測定」し、光が多い、足りないを判断します。光が足りなければ増やす、多ければ減らす、そのために「測定」するわけです。この光を増やす、減らすという概念については「フラッシュエクスポージャー」で解説した考え方が必要になります。

一方、反射式(この場合はカメラ内蔵を意味しています)の場合は、カメラの各種モードで撮影するわけですがカメラが勝手に「適正と思われる露出を計算し、カメラの設定を自動的にしてくれる」だけです。

また、wikipediaで「適正露出」を調べると

撮影された写真が人間から見て自然な明るさ・色彩で表現される露出を適正露出という。

と、書いてあることからも分かるように、「抽象的、且つ曖昧」です。また、「色彩」の感じ方は人種や住んでいる地域によって違います。南国が「原色系」で北欧が「淡色系(パステルカラーと言われている色彩)」からも分かるかな?と思います。

いずれにせよ一度「露出トライアングル」と「フラッシュエクスポージャー」を復習しておいてください。

なんつうか、おそらくこの辺を難しいと思ってしまうのはすべてが「点」だからだと思うんですよね。でもね、よーく考えて貰うとこうした概念をまとめたものが「撮影のときのカメラの設定」なんです。要するにすべて「繋がっている(「点」じゃなく「線」ね)」のです。この「繋がっている感じ」さえイメージできれば正直「楽勝」です。そうすると自然と単体露出計なんぞは単なる「計測器」ということが分かりますからね。

(まとめ)

あんまり難しく考えないこと。

です。

いずれにせよ露出に正解なんて無い、ということは今回のアンケート(というか実験)で分かったかと思います。

(おまけ)

かなり本質的なことを書いたつもりなんですが、完全にテキスト(活字)なのでおそらくちゃんと読んでくれる人はいないんじゃねーかな?と思います(T_T)

 

 

 

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