ISO感度はどこまで上げていい?最新カメラ事情から見る“常用ISO”の進化にびっくり

著書「クリップオンストロボ 本格ライティング ~オフカメラストロボ撮影を基礎から学ぶ」を発売以来8年以上経過し、おかげさまで今も少しずつであるが売れている。その後、私自身の活動環境の変化や機材販売などが忙しく撮影からは遠ざかっていた。

ただ、今年に入ってから撮影の仕事というよりもライティングテクニックについてセミナーなどさせていただく機会があり、最近の撮影技術のトレンドを垣間見ている。

なんかすごいことになっている。。。。

基本的に光の性質やライティングの基本原理は今も不変である。これは間違いないただ、技術の進歩や、機材の進化や変化など見過ごせない部分も少なからず出ている。それで今回は久しぶりにブログを更新してみようと思った次第。

それで今回は「ISO感度」について。

元々私は「印刷ありき」で撮っていた。その頃の知識というか経験があり、ISO感度800以上は怖くて使えない。ただ、先日、コスプレ撮影を趣味とする友人と話した際に「ISO感度12800は常用域」という話を聞いて驚きを通り越した衝撃を受け、自分でも調べてみた。

どうやら最新のカメラでは、かつて“緊急用”だった高感度が日常的な選択肢になっている。8年前との技術進化、そして現場での使い分けをわかりやすく検証してみる。

ISO感度の基本:光を“どれだけ増幅するか”

露出を決める三要素(シャッタースピード・絞り・ISO)のうち、ISOはセンサーが受け取った光の信号をどれだけ増幅するかの指標。ISOを上げる=暗所でも明るくできる反面、ノイズが増えやすいというトレードオフが発生する。ここまでは私だって知っている。何度説明したかわからない。しかし、そこで聞いたことのないワードを見つけた。

「常用ISO」と「拡張ISO」

ぽかぁーんである。どういうこと?なになに?要するに以下の定義らしい;

  • 常用ISO:メーカーが画質を保証できる範囲。仕様表の「常用ISO100〜6400」などが該当。
  • 拡張ISO:内部処理で明るく(または暗く)見せる設定。記載は「拡張で12800」など。画質は常用域より劣る前提。

実務上は、常用上限(例:6400)までは積極的に使い、拡張域は必要に応じてという運用が現代的、ということらしい。ISO6400って・・・。

8年前と今:高感度が“日常”になった理由

一眼レフ全盛期はISO3200を超えるとノイズが目立つ場面が多々あった(というか怖くて使ったことないし)。現在はフルサイズはもちろん、APS-CでもISO6400が実用常用ということらしい。そもそもISO感度はその写真の「用途(紙・Web、紙の場合は印刷サイズなど)」次第ということであるが、技術背景には次の進化がある。

  • 裏面照射型(BSI)センサーによる集光効率の向上
  • デュアルゲイン設計(二段階の最適化された増幅回路)で低ノイズ化
  • 画像処理エンジンの高度化(ディテールを残しつつノイズ低減)
  • RAW現像の進歩(AIノイズリダクション等)で後処理耐性が向上
なんのことやらさっぱり分からない。とにかく進化しているらしい。
※開発者でもない限り「とくにかく進化している」という程度の理解で十分だと思う。

現場の判断基準:ブレは“致命傷”、ノイズは“手当て可能”

手振れは修正できない、これは昔から変わらない(※暗所でも手振れしない技術がカメラマンの技量の差だったのだが・・・)。ただ、ISO感度を気にせず上げられるならこれに越したことはない。ISO800まででハラハラしていた私からすると、ISO6400まで使えるとなると、「1600 → 3200 → 6400」まさかの3段分!

いやー、時代にすっかり取り残された・・・(反省)

私自身、キャノンR6を使用しているが、そんなISOの進化などは考えたこともなかった。。。

緊急時にISO12800が使えるとなるとISO感度なんてもう気にしなくていいレベル。

迷ったら「シャッタースピード優先」でISOを上げる、ノイズは後でソフトウェアで軽減できるということだ。

まとめ:ISOは“恐れる”より“使いこなす”

高感度は妥協ではなく選択。最新世代ではISO6400前後は“常用”と呼べる水準

実用上は、手振れ回避を最優先し、必要に応じてISO12800もためらわず使え、というのが現代のトレンドということだ。

このISO感度の有効範囲の広がりは私の撮影スタイルに影響することは間違いない。

※不定期で「8年前のあの頃」との差分を埋める記事を書く予定。

 

 

 

 


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