狭い場所での料理撮影 ~前編~

今年の2月に拙著が販売され、なかなかご好評頂いております<(_ _)>

それで今回は拙著の内容の延長で「狭い場所での料理撮影」について解説してみようと思います(P-138参照)。

まず、実際の撮影現場というのは撮影条件がこちらの都合にマッチするということなんてあるわけもなく、常に何かしら制限があるものでそんなのいちいち気にしてても仕方ないのでその環境でできることをやるしかないわけです。特に狭い場所の場合は機材の選定も考える必要があるのですが、今回の撮影スペースは飲食店の一角で、広さにして畳み2畳くらいのスペースでした。

ライトスタンドを立てるスペースも限られてますし、そもそもテーブルが小さいという制限があります。それで今回は33インチのボックスアンブレラを使います。

それで33インチを選んだのはむろんスペースの制約があるからで、ソフトボックスを使うスペースもなく、43インチくらいのサイズだと撮影時のワーキングスペースの確保が難しいという判断です。実のところ43インチサイズは使い勝手が良いというか、割と万能なのですがやはり物理的に大きく、今回は撮影に使うテーブルのサイズも小さいということもあり小さいサイズを選びました。

露出の設定についてはストロボ1/4(GN60)、F8.0、ISO200、シャッタースピード1/125でチェックします。アンブレラも実際にテストしてみると今回使うテーブルをカバーするくらいの光は回ります。

実際の撮影風景はこんな感じ。

それでボックスタイプのアンブレラを使った理由ですが、普通のアンブレラでも大丈夫だと思いつつ、ディフューザー無しのアンブレラで撮影した場合、光がまだらになったり、シャフトが写り込む可能性があるからです(あくまで個人の経験則なのでそこは好みです)。特に料理の場合は汁気や油分があるのでてかり易いのでね。

ライティングが決まればあとはひたすら撮るだけです。斜めからでも俯瞰でも撮りながら微調整をします。

それでディフューザー付きのアンブレラということで言うと普通のアンブレラにディフューザーを付けて使う場合もあります。

使っているディフューザーは41インチサイズですが、今回は36インチの折り畳みタイプのアンブレラに付けて使いました。

アンブレラがディフューザーより小さいので多少ぶかぶかな感じでしたがとりあえず付いたので使います。機材の使い方というか使い分けは臨機応変に。

それで撮ってみると被写体のてかりが気になり、ストロボ光を一段落としました(この辺は各自の判断です)。

ちなみに料理撮影の場合、次々に料理が出てくることが多いのでかなりテンポやスピードが必要になります。また、せっかくなので複数の料理を並べて撮ったりもします。

最初の作例よりもストロボ光を一段落としてますので露出が変わってますが、露出に関しては後から補正することも想定してどんどん撮影していきます。拙著のP-57でも書きましたが、露出(明るさ)に関して言うと人によりけりだったりします。例えば;

この3つの露出の違いの中でどれが良いかなんて各自の好みです。端的に言うならば実際にこの「写真を使う人」の好みが「正解」です。


それで撮っていてどうしてもてかりが気になる時は向きを変えたり入射角と反射角の原理(P-62)を考えながら撮ります。

このあたりに正解があるわけでは無いのでいつも悩ましいところではありますが、、、

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さて、久しぶりの更新だったのでいささかぎこちない感が否めませんが、「後編」ではバウンスを使った例をご紹介します。

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