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クイズ 白バック飛ばし

今月24(土)開催予定のワークショップは当事務所規定の申込者数に達しませんでしたの開催しないことにしました。でも、来月も開催の予定はしています(恐らく21日か28日あたり)。希望者がいようがいまいが一応毎月スケジュールに入れていきますので中止が続いても、タイミングが合わない方も全く気にしないでください。

ほんとそろそろ卒業生向けのイベント考えないとマズイ・・・。

(※卒業生の皆さんすみません!リクエストあればメールくださいね!単なる「飲み会」でもいいかしら??w)

それで今回はそんなワークショップの一コマでやっている「白バック飛ばし」の応用例をご紹介。

題して、「クイズ 白バック飛ばし」です。

そこでいきなり質問です。

Q1.白バック飛ばしは背景が白くないと撮れない?

す。

どうでしょうか?さらに立て続けに質問です。以下はいろいろな壁紙を想定したサンプルです。

Q2.この中で飛ばないのはどれでしょうか?

ちなみに横から見るとこうなってます。

ガッチリ色が付いていたり、凹凸のある壁もあります。恐らく皆さんの日常生活の中でよく見かけるタイプの壁だと思います。

さてどうでしょうか?

・。

Ans.全部飛ぶ

が正解です。

よく「壁が白くないと白バック飛ばしできないんじゃないですか?」と聞かれますが、ちょっとしたコツと言いますか、露出トライアングルとフラッシュエクスポージャーのバランスで多少色や凹凸のある壁でも白く飛ばせます。

また、壁に当てるときの角度なんかも重要になってきますが、実際のところ白く飛ぶ壁ってけっこうあります。

ここのところ「白バック飛ばし」がかなり一般的なライティングテクニックとして浸透しているように思い、個人的には面白く各種媒体を見ています。

(まとめ)

・白バック飛ばしは背景が白くなくてもできる状況は意外とある!

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それにしてもまだまだ面白いネタがあるんですが、予算の関係もありつつ、そしてここのところ本当にバタバタしてまして、割と体はヒマなんですが、頭の中がもうグチャグチャなんです。その結果手つかずの業務が多数発生しているという始末。

とりあえず今回はこの辺でご容赦いただきたい<(_ _)>




たかが一段、されど一段、照射角度の話 ~後編~

ここのところドタバタしてまして、いささか更新が滞っております(いつも通りですがw)。

さて、前回はクリップオンストロボの照射角度でどう違いがあるか考察しました。そこで今回は43インチのホワイトアンブレラを使ってテストしてみます。

前回同様、4カ所に印を付けていますが、今回は上下左右50cmで測定します。また、1.5mの距離で角度は45度くらいにしています。このセッティングの「45度」というのは意味があると言えばあるし、無いと言えば無いのですが、一応説明すると伝統的なライティングに「レンブラントライティング」という手法がありまして、概ねそれに準拠したセッティングです。

さて、それで露出計はシャッタースピード1/100、ISO感度100で設定しています。またストロボはGN58で出力は1/4です。

●105mm

●24mm

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さて、前回のストロボ直の場合と逆に、アンブレラを使うと24mmのほうが1/3程度明るいです。これは照射面積に依るところですが、まぁ、それでも違いは1/3段程度です。ただ、私の個人的な経験則ですが、アンブレラやソフトボックスを使う場合、24mmのほうが光の反射効率良いように思います(※私がいつもバカの一つ覚えで24mmにしている理由はこういうことです)。

(まとめ)

・クリップオンストロボの照射角度に関しては好みです♪

非常にいい加減なまとめですが、照射角度、特にオフカメラ、ましてやアンブレラやソフトボックスを使うときはさほどナーバスにならなくても良いように思います。

(余談)

ちなみにですが、スタジオ用ストロボ(モノブロックやジェネレータータイプのストロボ)の場合、「リフレクター」という機材を使って照射角度を変えます。ただ、こちらもさほどナーバスに使い分けているというよりは、買ったら付いてきたリフレクターを何も考えず使う場合のほうが多いんじゃないでしょうかね。




たかが一段、されど一段、照射角度の話 ~前編~

今回はクリップオンストロボの「照射角度」のお話です。

これは何かというとクリップオンストロボの上位機種って照射角度が24mm(約84度)から105mm(約23度)の間で変えることができます。これはマニュアルでも、ズーム連動でも変えられる機種が多いと思います。それでこの「照射角度はどれが良いんですか?」と聞かれます。それで私はいつも24mmなので「24mmで良いんじゃないの??」と答えていますが皆さんどうも納得しかねるようですので、実際にどのように変わるか見てみましょう。

●4mの距離から壁に当ててみる。

それで壁に印を付け4mの距離から中央から上下50cm、左右1mの位置で24mmと105mmの2パターンを露出計で測定しました。露出計はシャッタースピード1/100、ISO感度100で設定しています。またストロボはGN58で出力は1/4です。

●105mm

少し光が下に向いてしまってますが、ザックリとこんな感じです。

(※露出計の解説してませんがこの場合、数値が大きい場所ほど明るいということです)

●24mm

105mmに比べて全体に光が当たっている一方、集光という点では105mmよりは弱いです。実際に測定した数値を見ると概ね一段分くらい弱いというのが分かると思います。

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とりあえず、24mmと105mmでは約一段分くらい違うというのが分かったと思います。そこで問題になるのはこの「一段分の差」を「たかが一段」なのか「されど一段」なのか、ということになるかと思います。

一口に「一段分」と言ってもISO100とISO200ならさほど違いが無いようにも思いますがISO1600とISO3200だと、いささか胸にグッと来ると言いますか、撮影するときに覚悟が必要なISO感度のようにも思いますし、絞りで言うとF8とF11はさほど変わらなさそうですが、F2.8とF4.0は被写界深度に影響しそうにも感じます。

なので、この「一段分」をどう捉えるか、がポイントになるかと思います。

(まとめ)

・ストロボを直接被写体に当てる場合、24mmと105mmでは露出にして一段分くらい違う。

・あとは好みというか使い分けの問題。

逆にストロボの照射角度で露出を一段分くらい上げたり、下げたりすることも可能ということでもあるわけです。

今回はストロボ直接当てた場合の比較でしたが、次回はアンブレラを使うとどうなるかを説明します。

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29日開催予定のワークショップですが、当事務所規定の募集人数に達しませんでしたので開催しません。なお、一応、来月も予定していますが、まだスケジュールが確定していないので未定です。決まり次第告知しますのでその際にはよろしくお願いします<(_ _)>




夏前にマスターしたい「ハイスピードシンクロ」 ~前編~

さて、久しぶりですが今回は「ハイスピードシンクロ」のお話です。

この言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、誤解されている方も多い部分ですので解説します。

よくある誤解としては「シャッタースピードを上げてストロボ発光して撮影する方法」という誤解です。これに関しては「ハイスピードシンクロ」という名称に問題があるとも言えます。

そこでなぜ「誤解」かと言いますと、普通のストロボでシャッタースピードを上げて撮るとどうなるか?こうなります;

シャッタースピードを1/320にしてかなり極端に撮ってますがこういう影が入ります。おそらく、前述した「シャッタースピード上げて撮る」という認識の方は実際に撮影してこうしたシャッターの影が入るのを目の当たりにして「???」となった経験をお持ちの方もいるかと思います。普通のストロボでこうした幕が写り込まないのは1/160~1/200程度じゃないかと思います(経験則)。ただ、この同期速度はストロボの機種で多少異なるようです。

それで、ひとまずハイスピードシンクロの定義とは何か、キャノンのウェブサイトで記載されていた説明を転用すると;

通常ストロボ撮影では、先幕が走り終わり、後幕が走り始める前にストロボが閃光発光します。ハイスピードシンクロは、先幕と後幕がスリットを形成して走る高速シャッタースピードでも、長時間ストロボを発光し続けることで同調させるものです。EOS専用スピードライトのEXシリーズストロボはこの発光方式も搭載。しかもE-TTLIIですからハイスピードシンクロ撮影もオートで可能としています。
(出所:Canon FlashWork

ということです。先幕、とか後幕という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これは「フォーカルプレーンシャッター(←wikipediaのページに移動します)」というシャッター方式の一つです。また、ハイスピードシンクロの説明で「FPシンクロ」という言葉が出てくることがありますが、これは「フォーカルプレーン(=FP)」の略です。すなわち;

ハイスピードシンクロ=FPシンクロ

ということです。それでこの原理を簡単に図(?)にするとこういうことです。

・通常のストロボ撮影 :(先幕)------(発光)(後幕) ←発光回数一回

・ハイスピードシンクロ :(先幕)(発光)(発光)(発光)(後幕) ←連続発光

ハイスピードシンクロさせるときはストロボが連続発光していることになります(通常は一回)。むろん、連続発光させるのでバッテリーの消耗が早いです。また、このハイスピードシンクロというのは「クリップオンストロボに搭載されている数ある機能の中の一つ」ということです。スタジオ用の大型ストロボやモノブロックストロボにはこのような機能はありません。

なぜ、スタジオ用ストロボにはこの機能が無いか?

無くても困らない機能だからです。(ストロボメーカーさんを敵に回したい訳ではありません<(_ _)>)

では、なぜ無くても困らないかと言いますと、これまた聞いたことがあると思いますが「日中シンクロ」というテクニックがあるからです。ただ、この日中シンクロという呼称も誤解を招きやすいと言いますか、「日中ライティング」とか「日中ストロボ」のほうがしっくりきそうに思います。

ようするに日中、屋外(環境光の強い撮影環境)で背景と被写体の露出を近づける(もしくは差を付ける)ためにストロボ発光するのですが、このテクニックの考え方はハイスピードシンクロと同じだからです。ちなみにですが、日中シンクロの例として;

●ストロボ無し

●ストロボ有り

この二つの写真の後者の「ストロボ有り」がいわゆる日中シンクロで撮影した写真ということになります(※ほんとはもっとわかりやすい写真を用意したかったのですが、手元にあって使えるのがこれだけでしたので雰囲気だけ掴んでください<(_ _)>)。

それではハイスピードシンクロという機能はなんのためにあるかと言いますと;

「被写界深度を変えずに環境光をコントロールしてストロボ撮影すること」(長っ!)

です。こうすることによって被写体と環境光の露出バランスを変化させることでドラマチックな写真が撮れるということです。ただし、「被写界深度を変えない」ということであれば、レンズに減光フィルターを付けて撮影しても同じ結果になります。なのでスタジオ用ストロボにはこの機能が無いのです。

まとめると;

「ハイスピードシンクロ=FPシンクロ≒日中シンクロ」

ということです。最後の日中シンクロは実現するストロボ側の機能としてほかの二つと違いますが、やろうとしているライティング技術の「原理は同じ」です。

また、今回タイトルに「夏前にマスターしたい」となぜ付けているかというと、日中シンクロって夏の日差しの強い時につかうと色味の締まった、かなりクールな表現ができるからなんです。このテクニックを使った広告写真はけっこうあります。だからこそ、この理屈を理解し、夏に備えておきたい、という訳です。

(まとめ)

ひとまず今回のポイントをまとめると。

・被写界深度を変えずに環境光をコントロールしてストロボ撮影すること。

・無くても困らない機能である。

・通常のシャッタースピードで同期できるのは1/160~1/200程度

ハイスピードシンクロに関して言えばこんな感じです。おそらく皆さんお持ちのメーカー純正の上位機種のクリップオンストロボにはハイスピードシンクロ機能があるわけで、せっかくクリップオンストロボを使うなら「使えるテクニック」として覚えておいて損はありません。(※クリップオンストロボを「スピードライト」というのはハイスピードシンクロできるからでもありますし。)

また、過去にシャッタースピードについての記事もありますのでそちらを再読しておくと次回の説明がわかりやすいと思います。

参考:ストロボ撮影のための「シャッタースピード」

それでなぜ数回にわけて説明するかというと、ハイスピードシンクロを軸に、絞り、シャッタースピード、ISO感度、フラッシュエクスポージャーの4つのパラメーターの組み合わせ、という原理原則を再度確認していただきたいからです。この原理原則から逸脱することはありえませんので。

ひとまず。

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蛇足ですが、今月のワークショップのお申し込みがありません(T_T)

来るときは断るほどなのに、来ないときは全く来ない、という奇妙な感じではありますw来月も一応予定はしていますが、次回はおそらくゴールデンウィーク直前くらいのタイミングになりそうです(※来月から消費税を外税にします)。

それではワークショップもよろしくお願いいたします<(_ _)>




ソフトボックスの照射位置考察 ~後編~

さて、前回はソフトボックスを「横から当てる」というテクニックを紹介しました。

それで今回はちょっと小手先テクニックにはなってしまいますが「後ろから当てる」パターンについて紹介します。

まぁ、どちらかというと「横」をやったので一応「後ろ」もやろうかな、ということです。それで今回は以下の3パターン;

では早速見ていきます。

●Aのパターン

パッと見た感じ悪ふざけにも見えなくもないのですが、まぁ、そこは考察なのでね。

被写体から離れたところにありますが、それなりに光が当たっています。

これだけだとわかりづらいのでもう少し被写体に寄ってみます。

白く線を引いたあたりにリムライトっぽい光の感じが出ています。全体的に光が回っているように見えなくもないのですが、この程度なら撮影環境に依存する部分でもありますので一概には言えません。

ひとまず「こういうもんだ」くらいでいいのかな?とは思います。

さて、次。

●Bのパターン

こちらはAのときよりも被写体に近づいているのでよりリムライトとしての効果が出ています。

とりあえずこちらももう少し近くで見てみます。

さて、よく見ると前回の「横」と違い、被写体の正面全体に影付きはなく、全体的にフラットな感じの光が回っています。この写真だけで説明するのは難しいのですが、大きな光源から照射される光は被写体を被い包むように光が回る(ラッピング効果と言ったりします)性質があります。後述しますが最近の女性誌にはこのラッピング効果を使った撮り方しているものが増えているように思います。

●Cのパターン

単純に真後ろですが、これは「白バック飛ばし」ですね。いろいろなところで言っていますがソフトボックスは白バックとばしの背景に使えます(アンブレラでもできますが)。それで「ラッピング効果」について前述しましたが、背景の露出をオーバー気味にするとこういう効果が得られます。

被写体全体が白っぽく、なんというか「ほわーっとした感じ」と言いますか、白っぽくなっているのがラッピング効果の特徴です。これを言葉でどう表現するか難しいところですが、英語ではSilkyとかMilkyとか言うみたいです。ただ、この辺は表現する人のボキャブラリーに依存するところかとは思います。

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いずれにせよソフトボックス、アンブレラ、いずれも「前から当てるだけ」ではなく撮影場所や広さなど、いろいろとバリエーションを増やせるシチュエーションは多いです。この辺は撮影時に「冷静に、落ち着いて現場を観察する」ことも必要ということです。

(まとめ)

・前から当てるだけがライティングではない。参考:「光は前から当てるとは限らない」

・撮影場所やスペースで臨機応変にセッティングすることでバリエーションが増やせる。

・白バックとばしの背景としてソフトボックスを使うというのは意外と使えるテクニック。

今回のところはこんなところで。

(蛇足)

22日開催のワークショップは当事務所規定の募集人数に達したので開催です。久しぶりなので当日までにカリキュラムの見直しとシミュレーションをするつもりです。私自身、このワークショップを繰り返し、受講者の方々のリアクション見ながら話方変えたりしてます。おかげでかなりしっかりと「原理原則」に徹底したカリキュラムになっていると思います。

ちなみに現時点で三月開催は未定です(私のスケジュール次第ですが、直前に告知しても誰も来ない可能性あるので迷っています)。

 




ソフトボックスの照射位置考察 ~前編~

今回は「ソフトボックスの照射位置」についてです。

ソフトボックスはアンブレラと違い、ちょっと高級なイメージのあるライティング機材であり、またアンブレラとは違って光に「指向性」があったり、グリッド付けることができたり「拡張性」があるのが特徴です。また、ディフューザー越しに面光源が作れるので「疑似窓」としても使われます。

そこで今回は応用例と言いますか、大胆に「前からではなく横から当てる」とどうなるかをご紹介します。

今回試したのは以下の4パターン;

被写体の真横一列です。けっこう基本的というか単純なことですが、これだけで「影の付き方」が変わるのと、一つしかない機材でもバリエーションを作る方法として覚えておくと良いです。

では早速;

●Aのパターン

ほぼ真後ろです。被写体の背面にうっすら光が当たる程度。

影付きが云々というよりはリムライトに近い光の塩梅です。

●Bのパターン

こちらは「真横」です。

モデルがぬいぐるみなので実際の人物撮影の質感を表現できていませんが、かおの中央から右側に影が付いています。影を強調し、陰影をはっきりさせたい、ちょっとハードなイメージで撮る場合なんかに使えそうです。

●Cのパターン

こちらは被写体よりも手前に設置しているパターンです。被写体にあたり光量自体はこの前の2つよりも少ないですが、表面の影付きが柔らかいです。

さて、ここでBとCの比較をしてみます。

どうでしょうか?違いがわかりますでしょうか?ついでに書いてしまうとここで見るべきポイントは;

・被写体の影付き

・背景の色(光の当たり具合)

です。

まず、被写体の影付きについてですが、「C」のように被写体の「表面を狙う方法」というのはsurfacingとか言って、ライティングテクニックとして存在しています。要するに被写体の表面に光を回り込ませるテクニックでこの効果の強弱は照射面積に依存します。

次に背景の色ですがCは背景よりも離れているのでグレー(すなわち光量落ち)になっています。ここのポイントは白背景をグレーっぽく見せたければ背景から離してやるということです。

そして最後に;

●Dのパターン

被写体から完全に離れた位置にソフトボックス置いてます。

4つのパターンの中で一番被写体に光が当たっていない(光量が少ない)わけですが、「光の周り具合」ではCよりも回っています。

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こうしてみるとソフトボックス一つでも、設置位置によってバリエーションを増やすことができるというわけです。

(まとめ)

・ソフトボックス一つでバリエーションを増やすことはできる。

・アンブレラも同様に位置を変えることでバリエーションを作れるが、光の指向性に関してはソフトボックスの方が上。

・背景に回る光量をコントロールすることもライティングテクニックの一つ。

ひとまずこんなところで。




コラム:今年一番使ったライティング。

さて、個人的に今年一番使ったライティングについて振り返ってみます。

正直なところ今年はスタジオでの撮影が大半だったのですが、一番使った機材はほぼ「大きなもの」でした。

すなわちソフトボックス、アンブレラ、いずれも「大きなもの=大きな光源」を好んで使っていました。

←大きなアンブレラの例。

上記の60インチはもちろんむしろ70インチを多用していました。特に後半は「シルバー」にちょっとはまってましたね。

さて、それでなぜ「大きいもの」かというとやはり光質が柔らかく、影付きが優しいんですね。あと、被写体も撮る側もけっこう自由に動いても光質が変化しづらいというメリットがあるからです。このあたりについては当ブログの読者の皆さんならばご承知の通り。

それでもう一つ大きい機材のメリットとして、お客さんからクレームが無い、ということです(笑)

ひとまず大きな光源で撮影したもので「いやー、違うなぁ」とか言われたこと無いです。当然撮影意図と言いますか写真の使用目的で使い分けますが、ただ、全てのお客さんが常に具体的なイメージを持っているわけではありませんのでそこはある程度こちらから提案しないとなりません。そういうときは影付きの柔らかい光源で撮影するとあっさり納得していただけることが多かったです。

この辺は好みや流行に依存する部分なので一概には言えませんけどね。

ただ、先日ワークショップの卒業生向けにスタジオで練習会をしたときに「大きいことは良いことだ!」と言ってました。要するに迷ったときは「とりあえず大きなライティング」というのは一つのソリューションとして使えるとは思います。

そして商品撮影のときはこちらを多用していました。

これが「万能」ということではありませんが、「スタート地点」としてこれを使ってましたね。これで撮ってみてイメージと違ったら、そこからいろいろと試行錯誤を始めると言いますかね。そんな感じです。

特に光沢のある被写体の場合、アンブレラだと光源が写り込んでしまうし、綺麗に光を入れ込むには被写体より大きなサイズの「フラットな光源」が必要なので。被写体の材質や大きさにもよるのですが、個人的には小さな商品撮影でアンブレラを使うことはありません。逆に大きなものの場合はアンブレラ使います。

(↑これはソフトボックスをアンブレラで撮るといういささか矛盾(!?)した貴重な光景)

私の場合、商品撮影というのは商品の質感をどう表現するかに重点をおくのでよほどのことが無い限りソフトボックスを使ってたなぁ、と。なので必然的に「大きなソフトボックス」を使いました。

あと、露出に関して言うと「気持ち上げる」というのはよくやってました。「上げる」というのは「恐らくこれくらいだろうな・・・」というところから勇気を振り絞って「半段から一段上げる」ということね。ややハイキーな感じに撮ると言いますかね。モニタや見る環境に寄ると思うのですがちょっと明るい感じにしておくとスッキリ見える(誤魔化せるとも言うw)ようです。

上記以外で言うとワークショップではビューティーディッシュを使ってました。

これは私の好みというよりは受講生の皆さんからの要望が多かったです。あと、「黒バック潰し」のときにはこれにグリッド付けると光をコントロールしやすいです。それで私が使うときはこっちの大きいほうを使ってます。

これまた大きい機材で「バカの一つ覚え」の印象が拭えませんw

こうしてみると可能な限り「大きなライティング機材」を使ったのが今年の傾向でした。

(まとめ)

・迷ったらとりあえず「大きな光源=大きな機材」で解決すること多しw

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撮り方や使う機材は常に変化するので一概には言えませんし、そもそも「正解の無い世界」です。ただ、今年当事務所が関わった撮影に関しては上記のようなトレンドでした。

来年はどんな年になるのか楽しみです。




光学スレーブ活用してる?

今回はクリップオンストロボの内蔵機能である「光学スレーブ」の活用法について。

以前、「オフカメラストロボの種類を知る!~前編~」でスレーブの種類について解説してますのでその応用的な話になります。

さて、クリップオンストロボの内蔵機能に他のストロボの光に反応してストロボを発光させる機能があります。ちなみにこの機能はたいていのクリップオンストロボに付いている機能じゃなかろうか?と思います。特に中級モデル以上というかガイドナンバー40以上の製品には付いている機能だと思います(※お持ちのストロボの説明書をよく読んでくださいね。意外とこの機能については書かれてないというか「分かりづらく書かれている」場合がありますので。)

例えばYN560シリーズだとモード設定で「S1」がこの機能に該当します。

それでこの機能を使うと何ができるかというと、1組のラジオスレーブで複数のストロボを発光させられるのです。

これは覚えておくと便利です、というか「白バック飛ばし」をやるときなんかはかなり便利です。

例えば典型的な白バック飛ばしのセッティングってこんな感じだと思います;

これは典型的なセッティングでストロボを3本使ってます。それで普通なら「ストロボ3本=ラジオスレーブの受信機3個」となると思いますが、室内でやるレベルなら受信機1個で他のストロボ2本を光学スレーブで発光させることができます。

実際にうちのスタジオでやるときはこの方法です。そもそもラジオスレーブ3個用意するのもお金がかかるし、もっと言ってしまえばそのためにいちいち受信機取り付けるのが面倒です。

●応用例

他にもこの光学スレーブの使い道はあって、「ちょっと光を足したい」ときにも威力を発揮します。

例えば商品撮影のとき;

こうして被写体の背後が暗いときなんかに影を消したい部分に光学スレーブ設定したストロボを置けば良いんです。

ただ、影を消したいだけなのでかなり置き方が雑ですが、目的は達成しています。この程度のことでいちいちラジオスレーブの受信機出してきてセッティングするなんて作業効率悪すぎます。それでこのストロボを拡大してみると;

受光部がメインのストロボ光の方を向くようにするのがポイントですが、さほどナーバスにならなくても良いと思います。

あとは好みというか、不安だったり、撮影環境が明るすぎるようであればストロボの数と同数のラジオスレーブを揃えれば良いわけですが、かといってストロボと同数のラジオスレーブが無いからと言ってできないわけでもない、ということです。

(まとめ)

・ラジオスレーブは一組あればけっこういろんなことができる。

よくよく考えると、個人的には今年はほぼ一組のラジオスレーブだけしか使ってなかったように思います。

ひとまず。