Category Archives: ライティング
狭い場所での料理撮影 ~後編~
さて、前編では撮影機材を使った例を紹介しました。
今回はバウンスを活用した例をご紹介します(P-82、P-132参照)。
狭い場所で撮影するときに、撮影機材が設置できない、もしくは大きな光源(P-66)を使いたいと言ったときに「壁」を使います。今回撮影したスペースで大きなアンブレラやソフトボックスを設置するスペースはありません。そういうときは壁を使って光源を作ります。
●天井バウンス
まずは天井バウンスから。
写真では分かりづらいですがこちらのお店の照明は暗めです。飲食店(特にお酒出すようなお店)の場合暗いことが多いです。そりゃ写真撮るためにお店をデザインしませんので当たり前です。でも、そうした環境でも撮らないとならないわけで、しかも狭いとなると使えそうな物はなんでも使います。光源のサイズも重要ですが、とにかく明るさを確保しないとなりません。
そこでこうした天井バウンスだと大きな光源を作り易いです。それでは早速撮ってみます。
光の周り方としてはむら無く回ってます。また真上からのバウンス光なので影も真下に出ています。でも、環境光の影響で少し赤くなっています。実際のところ店内照明が暖色系なので実際の見た目に近いです(※カメラのホワイトバランスは「オート」)。
さて、どうしたものか?これでも良いという判断もあれば、料理そのものの色味を出したいという判断もあります。ただ、もうすでにご承知かと思いますが、LightroomやPhotoshopで色温度を変えるだけです。多少の色温度の違いは後で修正可能なのであれば光の周り方や影付きに集中するという撮影スタイルもありです。実際にはテザー撮影(P-140)の場合は都度パソコンで確認できるので、不安なときはその場で色温度変えて確認します。
(左が修正前、右が修正後です。)
これまた面倒な話ですが、右の修正したものは少し寒々しい印象(個人的見解)し、これが良いという判断もあります。「前編」でも書きましたがこのあたりは写真を使う人の好みだし、何をどう表現したいかに依存する部分だなぁ、と思います。毎回撮るたびに悩ましいところです。
●壁バウンス
さて、次に「壁バウンス」です。壁バウンスするには天井が高い場合なんかに使えると思います。天井バウンス同様大きな光源を作る目的もあります。
ストロボの手前に置いてあるレフ板について説明すると、壁バウンスの場合は天井バウンスと異なり、反射してくる光の逆側の光量が落ち、影が出るのでそれを補う目的で置きました。
また、このセッティングの場合、ストロボ光の影響も受ける(ストロボ直に近い光質になる)のでレフ板を置くことで影付きを弱める目的もあります。
さて、とりあえずセッティングが決まればあとは撮ります。
今回は壁とストロボの距離が離れていたので光量を1/2(GN60)にしています。F値も4.0に変えて手前より奥側を少しぼかしています。また、大きな光源なので料理の左右や俯瞰などいろいろなアングルで撮ります。
さて、ここでいろいろな料理を撮ってきました。すると食べられることもなく料理が「待機」してまして、こうした大きな光源で撮っているときは最後に集合写真を撮ります。
こうしてみるとそれっぽいアングルですが実際の撮影テーブルはこんな感じです。
狭いながらも料理の位置や自分の撮る位置を変えながら撮ります。与えられた環境の中でベストを尽くすことだけを心がけます。
余談ですが、パエリアは乾き、アヒージョは油が固まり始めてくるのでスピード重視ですw
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さて、二回にわたり久しぶりの更新でした。いずれも拙著の内容です。お持ちの方はいまいちど読み返し、練習してみてください。
狭い場所での料理撮影 ~前編~
今年の2月に拙著が販売され、なかなかご好評頂いております<(_ _)>
それで今回は拙著の内容の延長で「狭い場所での料理撮影」について解説してみようと思います(P-138参照)。
まず、実際の撮影現場というのは撮影条件がこちらの都合にマッチするということなんてあるわけもなく、常に何かしら制限があるものでそんなのいちいち気にしてても仕方ないのでその環境でできることをやるしかないわけです。特に狭い場所の場合は機材の選定も考える必要があるのですが、今回の撮影スペースは飲食店の一角で、広さにして畳み2畳くらいのスペースでした。
ライトスタンドを立てるスペースも限られてますし、そもそもテーブルが小さいという制限があります。それで今回は33インチのボックスアンブレラを使います。
それで33インチを選んだのはむろんスペースの制約があるからで、ソフトボックスを使うスペースもなく、43インチくらいのサイズだと撮影時のワーキングスペースの確保が難しいという判断です。実のところ43インチサイズは使い勝手が良いというか、割と万能なのですがやはり物理的に大きく、今回は撮影に使うテーブルのサイズも小さいということもあり小さいサイズを選びました。
露出の設定についてはストロボ1/4(GN60)、F8.0、ISO200、シャッタースピード1/125でチェックします。アンブレラも実際にテストしてみると今回使うテーブルをカバーするくらいの光は回ります。
実際の撮影風景はこんな感じ。
それでボックスタイプのアンブレラを使った理由ですが、普通のアンブレラでも大丈夫だと思いつつ、ディフューザー無しのアンブレラで撮影した場合、光がまだらになったり、シャフトが写り込む可能性があるからです(あくまで個人の経験則なのでそこは好みです)。特に料理の場合は汁気や油分があるのでてかり易いのでね。
ライティングが決まればあとはひたすら撮るだけです。斜めからでも俯瞰でも撮りながら微調整をします。
それでディフューザー付きのアンブレラということで言うと普通のアンブレラにディフューザーを付けて使う場合もあります。
使っているディフューザーは41インチサイズですが、今回は36インチの折り畳みタイプのアンブレラに付けて使いました。
アンブレラがディフューザーより小さいので多少ぶかぶかな感じでしたがとりあえず付いたので使います。機材の使い方というか使い分けは臨機応変に。
それで撮ってみると被写体のてかりが気になり、ストロボ光を一段落としました(この辺は各自の判断です)。
ちなみに料理撮影の場合、次々に料理が出てくることが多いのでかなりテンポやスピードが必要になります。また、せっかくなので複数の料理を並べて撮ったりもします。
最初の作例よりもストロボ光を一段落としてますので露出が変わってますが、露出に関しては後から補正することも想定してどんどん撮影していきます。拙著のP-57でも書きましたが、露出(明るさ)に関して言うと人によりけりだったりします。例えば;
この3つの露出の違いの中でどれが良いかなんて各自の好みです。端的に言うならば実際にこの「写真を使う人」の好みが「正解」です。
それで撮っていてどうしてもてかりが気になる時は向きを変えたり入射角と反射角の原理(P-62)を考えながら撮ります。
このあたりに正解があるわけでは無いのでいつも悩ましいところではありますが、、、
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さて、久しぶりの更新だったのでいささかぎこちない感が否めませんが、「後編」ではバウンスを使った例をご紹介します。
検証:ホワイトアンブレラとトランスルーセントアンブレラ
相変わらずバタバタしております<(_ _)>
さて、そんな中、けっこう質問として多いのですが「ホワイトアンブレラとトランスルーセント(透過型)アンブレラ」の違いについてよく聞かれるので検証したので紹介します。
「検証」と言っても、最終的には好みの問題、撮影環境の問題、だと思っていますので「自分ならどうかな?」と想像しながら読んでください。
それではまずホワイトアンブレラ。これは反射面が白いのですが、特徴としては「反射」させる点にあります。これはわざわざ説明する必要ないと思いますが、シルバーでも同じ原理です。
それでトランスルーセントはどうかというと、こちらは「透過型」になりますので逆に;
こういう感じです。それで「光質」に関しても聞かれるのですが、多少はトランスルーセントのほうが柔らかいように感じますが、光質の違いに関しては被写体の材質や、人の恣意的な感覚に依存するので一概には言えないと思います。共通しているのはどちらも形状がアンブレラなのでソフトボックスのような指向性はなく、漫然と光が広がります。
それで光質以外の部分に関して両者の違いに関して言うと、「使い勝手」があると思います。これは明らかです。通常のアンブレラの場合、角度を付けるのが容易なのに対して、トランスルーセントは角度を付けるという点に関しては制約が多いです。
ただ、角度が付けやすい反面、「高さ」が必要になる。それでトランスルーセントのほうは;
ホワイトアンブレラほど高さは必要ないものの、下に向けるときの角度に制限があります。その一方、反射型のアンブレラは高さが必要で、透過型の場合は高さが反射型のアンブレラより低くても使える、というメリットがあります。
なので、最初に書きましたがあとは好みとか撮影環境次第、と言ったところです。
それで同様の質問として、「光量のロス」があります。アンブレラのほうがロスが少ないとか、トランスルーセントのほうがロスが多いとか、ね。これに関して言うとその差は僅差でしかないと思います。
どちらもストロボの光量は同じで、壁面の一点がF5.6になるようにライトスタンドの位置を調整してますが、光量のロスに関して言うと特筆すべき差を感じませんでした。
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それで割と知らない方が多いようですのでトランスルーセントタイプのアンブレラに関して、応用的な使い方をご紹介します。そもそも「ディフューザーがアンブレラになったもの」なので光りを柔らかくする効果があります。なので窓際に立てたり、晴天時に被写体(モデルさんなんかね)にかざして使う使い方もあります。
こういう使い方だと、窓にトレーシングペーパー貼るより簡単にディフューズさせることができます。この使い方に限らず、いろいろバリエーションは考えられる、というかいろいろあるのですが、ちょっと工夫すればすぐにわかる程度なので割愛します。
(まとめ)
・反射型と透過型のアンブレラでは光量の差は少ない。
・光質は被写体によっても変わるので、使い分けは好みの問題。
・光質や光量云々より、撮影環境や撮影意図で使い分けるのがスマートじゃなかろうか?
私自身もどっちがどっちと言われても、正直悩ましいところなので今回書いたように場所や意図で使い分ける、という以外に回答のしようがないのです。
ご参考まで、、、、
横から当てる料理写真のセッティング例
さて、かなり久しぶりの更新です<(_ _)>
それで本日はライティングのセッティングのお話です。先日、日本橋のラヂマルさんの料理写真の撮影をする機会がありましたのでそのときのライティングの話です。
早速ですが料理写真の撮影のセオリーとして「被写体(料理)の向こう側からあてる」というのがあります。これはこれでここ数年のトレンドですし、料理の場合は概ね被写体の向こう側から光を当てるライティングが主流のように思います。当然、それに対して異論を唱えるわけではありませんが、そんな都合の良い撮影環境ばかりではないと思いますので今回はあえて「真横」で撮ってみました。
セッティングは一種類です。
大きなソフトボックスと、その向かい側に大きめのレフ板です。大きなソフトボックスは大きな光源であるとともに、「疑似窓」としての役目、大き目なレフ板は影付きを和らげるためです。むろん、レフ板も大きければそれだけ「大きな光源」になりますからね。
それでなぜこういうセッティングにしたかというと、撮影するときのワーキングスペースを確保するためです。この設定なら正面に対して上下左右自由にアングル変えて撮れるんです。
ちなみに背景を白背景にしていますが、これはあってもなくてもかまいません。撮影しながらクライアントに確認し、不要なら外します。ちなみにこのセッティングで撮るとこういう感じです。
左側に影が出てますが、大きな光源で挟んでいるので柔らかい影付きです。また、上下に動けるスペースがあるので俯瞰撮影もそのままいけます。
それで今回はランチ(5種類)とメイン料理数種類を撮影です。皿の大きさや高さもけっこうな種類があり、料理に合わせてアングルを微調整しないとなりません。たとえばこちら;
こちらはこんな感じで撮ります;
また、料理の奥側から当てていないため、手前にレフ板を置く必要がないのでローアングルもそのままいけます。
こうしてこのライティングだと割とテンポよくバシバシ撮れます。むろんテザー撮影してますので時折クライアントに確認しながら「ちょっと違うなぁ・・・」と言われてもすぐに微調整して撮れます。
また、割と盲点ですが次の写真のような「深さのある器の料理」;
こういう料理(というか器)の場合、中の料理に光が入りづらいのですが、このライティングならレフ板を持ってもらうことで撮りやすくなります。
これは奥側からのライティングだと、カメラマンが撮るアングルにかなり制約が出るので撮りづらいと思います。
そしてこのライティングのポイントは大きな光源を使い、撮影アングルに自由度があるので、「あえて余白を作る撮り方」も簡単です。
どうでしょうか。
(まとめ)
・ライティングのセオリーは大事だが、あえて崩す柔軟性も時には必要。
・撮影意図や撮影プランを考えてセッティングを決める。
・光源サイズをうまく利用する。レフ板も大きければ「大きな光源」としての効果がある。
今回紹介したライティングが正解ということではありません。あくまで「考え方」としての例です。このブログやワークショップで言い続けている「原理原則の応用でしかない」ということです。
ご参考まで。
ワークショップの案内と補足
まずはワークショップの案内から。
次回開催日が決定しました。2/21(土)です。
- 日程:2/21(土)
- 時刻:14:00~17:00(延長の可能性アリ)
- 場所:UNPLUGGED STUDIO Shibuya
- 費用:22,000円(税込み)
- 定員:5名(定員に満たなくても募集を締め切る場合があります)
- ※終了後は希望者がいれば「懇親会」と称して飲み会を開催します(費用は単純にワリカンです)。
内容についてはみなさんご存知かと思いますが、下記でご確認ください。
ちなみにですが、ここのところ申し込みが以前より増えておりますので参加ご希望の方はお早めに(かといって殺到するようなこともありませんがw)。
それでいくつか補足ネタを。
まずは先日書きました「光源のサイズ」についてですが、大きな光源の使用例として「集合写真」があります。
こちらは70inchのホワイトアンブレラを使っている例です。大きな光源は光が柔らかくなりますが、均一な光質で広い範囲をカバーできるというわけです。ただ、70インチあればどんな集合写真でも撮れるかと言われると、それまた違います。必要であれば二本使って両サイドから照射する場合もあります。このあたりは好みや経験則で決めるしかないです。「これが正解」ということはありません。
(フォトグラファー:野崎祐子、協力:LOVE☆HOPダンススクール)
それともう一つ。先日のワークショップでご質問頂いたポートレートの背景について。
こちらのモデルさんの背景が「グレー」になっているのがわかると思います。
それでこれは白背景の前で撮っているのですが(F5.6、1/125、ISO100)、白背景でも背景をグレーにしたい場合、背景と被写体の位置を離せばいいのです。
逆に背景に被写体を近づけると当然白背景なので白くなります。
これは逆二乗の法則の応用で、遠くなるほど光が弱くなる=暗くなる、という理屈の応用です。他に明るい背景を暗く、もしくは色濃くしたい場合も同様です。基本的なことですが、こうしたことの応用がライティングテクニックということです。
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いささか雑多な内容になりましたがご参考まで。
ひとまず。
光源は照射面積で考える。~影をコントロール~
久しぶりの更新です。
今回はライティングを決める上でのキモとなる「光源」についてです。
かなり最初の頃に、「大きな光源・小さな光源」について解説しています。また、ワークショップの最初のほうのカリキュラムでもこれについて解説しています。ひとまず過去の記事をご紹介すると;
また関連するトピックとしてこちらもご参考に;
写真撮影におけるライティングの光源というのは、究極的には「影をコントロールする」ということだと思います(個人的に)。光質もむろんありますが、柔らかい光=影が弱い、硬い光=影が強いということになり、それを左右するのが「大きな光源、小さな光源」ということです。
ちなみに、ここで言う「光源」は「光量のことではない」です。割と「大きな光源」と「大きな光量」を混同されている方がいますが(というか言葉の定義の問題なのでややこしいですが)、まず、写真撮影における光源は「大きいか小さいか」で考えるほうが理解が早いです。
(※蛇足:前述しましたが言葉の定義なのでややこしいのだけど、ストロボ光、定常光なども「光源」です。そこの使い分けは都度状況で使い分けるしかない。また、英語でも”LightSourse”と言いますし、同様に使い分けてるようです)。
さて、先に結論から書きますが、光源の大小は「照射面積」で考えます。要するに照射面積が大きいほど影付きが弱く(柔らかく)なります。
そこでソフトボックスでサイズの比較をしてみます。
写真が小さいので見づらいのですが、撮影意図に応じてこうしたサイズを使い分けるわけです。
それぞれ反射型と直射型で光質は異なりますが、原理としては「照射面積のサイズ」によって影付きが変わります。それで↑の写真にストロボ(何も付けていない状態)も置いてますが、ストロボと比較するだけでも照射面積のサイズが影付きに影響するというのが直感的にわかると思います。
むろん、アンブレラも同様です。
それで注意したいのは多少大きさが違う程度(60インチと70インチなど)だとその差は僅差(感じづらい場合が多い気がする、ということね)です。また、被写体のサイズや、被写体の質感などでも変わります。このあたりは好みや撮影意図で使い分けることになりますし、経験を積んでその違いを自分の感じ方で理解するしかない。それに、それぞれのライティング機材には一長一短あるのも事実です。そのあたりは十把一絡げで説明するのが難しいところです。
たまに、「こういう場合はどれがいいですか?」と聞かれるのですが、そこに答えは無いわけで、「好みと撮影意図ですよ」と答えてます。正直なところそれ以上に答えようが無いわけです。強いて言うならポートレートなら、男性なら小さめ(影強い)、女性なら大きめ(影弱い)、というのが一つの選び方なのかなぁ、とは思いますし、ひとまず43インチのアンブレラ買っとけば?となります。
(まとめ)
・光源の大小は「照射面積」で考える。
・光源の大小で「影の付き方」をコントロールする。
・撮影意図=影の付き方、を具体的にイメージする。
こんなところでしょうか。ほんとこのあたりについては活字で説明するのが難しく、間違った理解をされると困る部分なのでワークショップでもけっこう回りくどく説明している部分ではあります。
ひとまず。
(補足)
基本的にシルバーアンブレラでも原理は同じです。ただ、シルバーアンブレラの場合、かなりシビアに光軸の影響を受けるので(検証中)、今回は触れてません。いずれ解説できる日が来るといいなぁ、とは思ってます。個人的には好んで使ってますけど。
(ワークショップに関して)
告知が遅くなりましたが今週末開催予定のワークショップはすでに募集を締め切っております。次回開催は未定です。
恐らく、次回はけっこう直前の告知になりそうな気がしてますが。。。
ワークショップの告知と小ネタ
さて、今回はワークショップの告知と小ネタです。
次回、ワークショップは来年の1月24日(土)を予定しています。開催概要はこちらでご確認ください。開始時間は14時を予定しています。
- 日程:1/24(土)
- 時刻:14:00~17:00(延長の可能性アリ)
- 場所:UNPLUGGED STUDIO Shibuya
- 費用:22,000円(税込み)
- 定員:5名(定員に満たなくても募集を締め切る場合があります)
- ※終了後は希望者がいれば「懇親会」と称して飲み会を開催します(費用は単純にワリカンです)。
内容についてはみなさんご存知かと思いますが、下記でご確認ください。
ちなみにです毎回カリキュラムの修正をしているので、若干記載の内容と違う場合がありますので。
ご興味のある方はお早めにご連絡ください。
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さて、小ネタ、です。小ネタと言っても割と重要なポイントです。ならば1つのトピックスとして取り上げるべきとも思うのですが、これが紙面の制限と言いますか、面倒なのでシンプルに、あまり深掘りしない感じで説明します。
それで何かというとストロボ光と自然光のミックス光での撮影です。これは時折質問頂くのですが、けっこうドツボにはまる方もいるようです。ただ、常日頃言い続けてますが、絞り、シャッタースピード、ISO感度、ストロボ光量、この4つの相関関係でオフカメラストロボの設定は決めます。これ以外に何もないです。
端的には以下のチャートに集約されています。
それで、前述したストロボ光と自然光の下で撮影した場合、よく外光が暗くなるというものです。特に窓越しの光がつぶれてしまうことが多いようです。
●F5.6、1/125、ISO200
これは撮影した時間帯のせいで窓の外が暗いのですが、やはり窓の外を明るくする場合どうするか?分かるとあっさりわかるのですが、なかなか気付かない部分です。
ちなみに絞りとストロボの光量は一定です。
●F5.6、1/15、ISO200
こちらはシャッタースピードを1/15に変えた例です。1/125から3段分明るくなってます。全体も明るくなりますが明らかに窓の外が明るくなっているのが分かると思います。チャートのシャッタースピードのところに「環境光をコントロール」というのはそういう意味です。
さらに、今度はシャッタースピードとISO感度も変えてみます。
●F5.6、1/60、ISO400
さて、どうでしょうか?上記2つの露出は同じです(※理論上ね)。これが前述した4つのパラメーターの組み合わせである、ということになります。
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このあたりについてはもっと深掘りして解説したいところですが、これがけっこう面倒なんですwこの辺は小手先のテクニックと言うよりも原理原則をがっちり理解してないとなかなかたどり着けない部分ですし、それを一から文章で説明するのは労力がかなり必要、ということです。
ただ、以前からワークショップでやらないとならないと思いつつ、一度試しに入れたのですが時間の制約もあってなかなか正式にカリキュラムに入れられない「隠れたツボ」です。
ご参考まで。。。
天井の低いところで俯瞰撮影ライティング
さて、久しぶりの更新です。
ストロボライティングのテクニックの一つに「バウンス発光」というのがあります。ただ、理屈はソフトボックスもアンブレラもこのバウンスと同じ原理です。
それで今回は天井の低い場所で大きな被写体を俯瞰撮影するときにバウンス発光をやってみましょう、というお話です。
今回の被写体は直径55cmのオパライトのケースなのですが、広げると直線にして120cm近くあります。
このサイズになると全体をカバーできるソフトボックスもありませんし、そもそもソフトボックスを上から当てても当事務所のスタジオの天井光は2.4mしかありませんので俯瞰気味に撮ろうとするとソフトボックスが邪魔して撮れないのです。
また、大型のアンブレラを両サイドに二本立てることも考えましたが、光の周り方にムラが出るのと、撮りづらいわけです。そこで天井に直接バウンスさせたわけです。
セッティングはこんな感じです;
被写体が大きいのでストロボを二本使っています。こうすることで天井自体が光源として使えます。一方、ストロボが一本だけだと;
当てる角度次第ではありますが、被写体の大きさに比して光量も足りず、光の回り方にムラが出ます。なので天井全体を使って大きな光源を作ったというわけです。
こうして見ると目測ですが幅3m超、長さ2m超の光源というのは光も柔らかく、光沢のあるような被写体にはムラ無く光が回ります。
そしてこの場合、天井をフルに使って大きな光源として活用することで撮影アングルに自由度が生まれます。
また、バックペーパー(2.7m)を完全にカバーする光源なので、大きめな被写体を並べても撮影の自由度は保てます。例えば;
被写体上部がいささか飛んでいますが、被写体全体に光が回っています。
こうしてみると「天井バウンス」というのは古典的なライティングテクニックですが、発想の転換次第では実用的なライティングと言えると思います。
(まとめ)
・天井が低いからといって俯瞰撮影ができないわけではない。
・バウンスは古典的なテクニックだが応用の幅は広い。
こんなところでしょうか。
(ワークショップ)
すみませんが、今月(6月)はワークショップの開催しません。一応、来月はやる予定ですが労力に比して希望者が少ないので未定です。