開放で撮ってみる。

さて、久しぶりの更新ですが、今回はライティングの話からちょっと逸れて、「開放撮影」のテクニックです。

「開放撮影」というのはいわゆる「長時間露光」というやつでシャッタースピードを遅くし、シャッターを開放で撮影するという伝統的な撮影テクニックです。

レンズを絞り込む、もしくは減光フィルターを使うわけですが、考え方としては「露出トライアングル」と同じです。

一般的には夜景や暗いところでの撮影に使われるテクニックですし、実際にやったことがある方も多いと思います。ただ、そこを一歩踏み込んで使うと動く被写体を「消す」もしくは「流れるように」撮れるんです。

これはこれで知っておくと撮影意図の幅が広がるという訳です。

ただ、一つ面倒なのは時間帯や周囲の明るさ、動く被写体によってかなり制限を受けてしまうという点です。

実際のところ今回のサンプルは分かりやすいようにと思って早朝(5:30am頃)渋谷の交差点で撮ったのですが想像以上に人が多くて人影を完全に消せませんでした(T_T)ただ、そうは言いつつも「消えそうな雰囲気」は伝わるかと思います。

それでは説明します。まずは、普通に撮影するとこういう感じ;

早朝の渋谷駅前の交差点ですが、けっこう人がいますね。皆さん信号を渡る気満々です。そこで人が信号を渡り始めた時に撮影したのがこちら。

人が消えている(もしくは「消えそう」)ように見えません?か?

見た感じ「惜しい!」と言った感じもしますが、長時間露光するとこういうことができる訳です。

ただ、ちょっとおかしなのは絞りが「45」ということです。前述しましたが、露光時間を延ばすのは「被写体の動き」に依存するので露光時間が延びればそれだけ光の量が増えてしまいます。

ここはわかりますよね?

それでこの長時間露光の際に、光の量を減らすには減光フィルターを使うか、レンズの絞りを絞るしか無いのです。

ただ、一般的なレンズは絞りはせいぜい「F22」くらいまでです。それでは私は何のレンズを使ったか?

正解は「マクロレンズ」です。

ここで「マクロレンズ?」と思った方もいるかと思いますが、接写ができるというだけで、別にスナップ撮影にも使えます。また、今回使ったのはシグマの50mmマクロレンズですがこれは絞りがF45まで使えます。これだと被写界深度が犠牲になりますが、わざわざ減光フィルターを買う必要はありません。以前もマクロレンズを使った例を紹介しましたが、マクロレンズだからと言って接写にしか使えないという訳ではありません。こうしたトリッキーな撮影をするときはむしろ絞りがF45まで使えるというのは便利です。

と、いうことで開放で撮影するというのは知っていて損の無いテクニックですし、数回練習するとコツが掴めると思います。

ではまた。

(ワークショップの告知)

今月開催予定のワークショップですが募集中です。

今回も当事務所規定の人数が集まらなければ開催を見送ります。20日(火)頃に締め切るつもりですのでご希望の方はお早めに。

こちらもよろしくお願いします。

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