コラム:お勧め書籍のご紹介

今回は久しぶりにお勧め書籍のご紹介です。私はさほど本読まないのですが、本日ご紹介する二冊はお勧めです。

それでは早速;

●静物写真のルールブック/飯田 英里 (著), 石井 命子 (著)

こちらはワークショップの卒業生でもある石井さんが共著で、料理関連部分を担当されているそうです。石井さんはもともと料理専門のカメラマンというのはお聞きしていましたが、けっこう料理写真関連のノウハウが充実していて「お!」みたいなことも書いてありす。

それで個人的には「ルールブック」というか「こうしろ!」みたいな本は好きじゃないんですが、こちらの本は確かに「ルール押しつけ」的ではあるものの、辞書的に使えると言いますか、1ページに1テーマにまとまっているので手元においておくと便利かも知れません。また、機材の準備からレンズの解説などもしてあってご自身の撮影技術の「引き出し増やす」には良いと思いますし、そういう意味ではよくまとまっていると思います(こうして体系的にまとめるのは大変だと思います、ほんと)。

あと、個人的にお勧めポイントは「広く浅くポイントを押さえているところ」で、レンズの歪みについても書かれており、この辺って意外と盲点です。

また、以前当ブログでも「露出と光質」について解説しましたが、そこについても記述があります。

(参考)

盲点?露出と光質 ~前編~

盲点?露出と光質 ~後編~

私はいつも言っているのですが「光質」というのは露出と関係なく、被写体の質感は光質で表現するしかないわけで、ほー、けっこうツボ押さえてるな、と。

最後に;

この料理写真の盛りつけ方なんてのは共著の石井さんの専門領域で「なるほどぉー」と思う内容も網羅されてます。この辺はさすがに専門家だけはあるな、と。

全体的に「広く浅く」が特徴の本で、かといって「お気軽お手軽」みたいな内容でもなく、前述しましたが辞書的に手元においておいて、都度参考にする使い方ができる本です。作例なども豊富だし、1ページ1テーマの構成というのは読みやすいんじゃないでしょうか。

ただ、先日石井さんにお会いしたときに「タイトルと装丁失敗じゃないですかね?」と言ったのですが何やらこれってシリーズで出ている本で他のタイトルとのバランスがあるので著者側で決められるものでもなく、結局こういうタイトルと装丁になったそうな。

内容に比して書店でぱっと見た感じの印象が浅くてもったいないな、とは思いました。良書です。

さて、もう一冊。

●デジタル写真の色を極める! /桐生彩希 (著)

ここのところ会う人会う人に絶賛しているのですが(笑)、この本はお薦めです(特にプロ)。色やヒストグラム、レタッチなど(私なんかは典型ですが)曖昧なまま実務に勤しんでいる方は多いと思いますが、そうした悶々とした自分の知識を体系的に整理できます。これも上述した「静物写真のルールブック同様手元においておくと便利な本です。

特にヒストグラムやトーンカーブの解説なんかは秀逸です。

それで先日「カメラのヒストグラムの使い方」は説明しましたが、そんな子供だましじゃありません(笑)何をどうしたらどうなるかを体系的にまとめてあります。

あと、この著者の方はよく存知あげませんが、個人的にはこの方と気が合いそうです(笑)というのも「基本」を大事にされている点と「そもそも正解は無い」という立ち位置で解説されており、そこいらの「インチキ解説書」とは違うと思いました。

やはり「基本」を大事にした内容なので「10年経っても使える知識」と謳っている部分は納得できます。

そうした前提できわめて簡潔な内容にまとめて書いてあります。この文才はなかなか凄いです(※私は無理ですが)。

あと、写真撮るときもそうですが、「目指すイメージ」、「どうしたいのか」が具体的になっていないとレタッチも同じようにどうしようもない、という点については「なるほどぉ」と思いました。

それにしても雷鳥社の「写真の学校シリーズ」はなかなか外れが無いのはいつも驚きます。

ってかこの本けっこう売れてるんじゃないでしょうか。

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今回紹介した二冊はいずれも良書です。他の解説本に比べると価格も良心的だと思います。

恐らくこの二冊で悶々としていた知識が整理され、体系化される方は多いと思います。

少なくとも私はそうでした(笑)

ではまた。。。

 

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